リサイクル親父の日記

第720話 仙台中心部で怖~そうなリサイクル買取現場ですが・・・

2009/08/24

リサイクルの買取依頼電話ですが、住所が仙台中心部で繁華街であった。
女性がハスキーボイスである。
でも、音質はそんなに年には感じないから意外に若いかも知れない。

繁華街で歓楽街のど真ん中の古びたマンションのため、駐車場が心配になる。
案の定、立錐の余地のない場所で付近の駐車場が満杯だったので、離れた場所で留めて歩いて向かった。
暑い日である、ちょっと歩くだけで汗が出た。

どの道路も車と人が多いので注意して物ものを避けて進んだ。
大きな古びたマンションは1階と2階が店舗や事務所で、3階以上が住宅の様だ。
住居玄関は脇の一通沿いで段差が2段、6階もエレベーター付近で段差があり、搬出時には台車で苦労しそうだった。

部屋のインターホーンを押しても出ないから不安になった。
少し間があって、あのハスキーボイスが「ちょっと待っててください」と言ってきた。
そして戸が開いて、ムッチリ太腿に短パン、ピチピチTシャツ姿の30代の彼女が現れた。

素っピンのためか、腫れぼったい眼に顔色悪く色むらもある。
居間に通されて、買取品の見積もりとなったが、部屋中に乱雑に色々な物が置いてある。
どれもこれもが積み重なったり折り重なったりしていて物の判別ができ難い。

食器棚にチェスト、丸テーブルに椅子のダイニング、机にテレビ、ソファー2台、・・・など。
テーブルや椅子、ソファーの上には紙袋から雑誌から小物までがビッシリと積まれているのだ。
どれか一つを検品するには、上に置いてある物を何処かに移さないとならないが、移す場所がない状態。

移す手間を考えると、現状で見た目で判断した方がベターである。
ソファーには破けている所が数か所、木製テーブルや椅子には塗装の禿が疎らに点在、他の物も埃と汚れが多いのだった。
ハンガー掛けには男物スーツがぶら下がっていたりする。

品物の履歴を聞くと、彼女は曖昧にしか答えられない物が殆どなのだ。
机の上に額縁があったり、壁に掛けられた額には、何やら勇ましい文字が踊っている。
この部屋はチョッとヤバいかも知れない、そんな気がしてきた。

ロココ調家具と散乱しているブランド品と紙袋、歩きづらいほど家財を入れている。
片付けが全くできていない有様。
気だるくカッタルイ女、怖そうな男の気配。

「品物は高かったと思いますが、傷が結構あるので買取は難しいです」丁重に断ろうとした。
「引っ越しに持って行けないし・・・頼むから買取してよ!」彼女の声が強くなった。
「駐車場所も無いから、人手もかかりそうですから・・・ウチでは無理ですねぇ」。