リサイクル親父の日記

第742話 何処までも配達はしますが・・・ 仙台リサイクルショップ親父としては・・・

2009/09/16

これの店は仙台の国道4号線バイパス沿いだから、遠方の人も立ち寄ってくれたりする。
物が多ければ買取も他県でも出張するが、最近では春にいわき市まで行った。
岩手県方面からも話があったりするけど、なかなか出張するまでの内容にはならないんだ。

反対に買った物の配達もいらされるが、これがあまり遠いと悩ましいのだ。
大量にまとめて買ってもらえればさほど抵抗も無いが、一つだけでは出張費が高くつくのだ。
家具は大きいから、有料配達となればお客さんは躊躇することが多い。

数千円の家具に品代以上の配達料をかける勇気は難しいだろう。
彼女が近付いてきて聞いた。
「あのねぇ~欲しい家具があるけど・・・配達してくれる?」。
「ええ、配達はしますが、有料ですね、場所はどちらですか?それによって料金が違います」。

「チョッと遠いのよ、そうましの市役所の近く・・・」。
俺は確認のため復唱した、「そうましとは福島県の相馬市ですか?」。
「そうですよ、ダメ?」。

「ダメじゃないですけど、1時間以上はかかりますので金額もそれなりになりますね~」。
「そうよね~」と彼女はしょげて深く頷いた。
「・・ところで、買いたい物はどれですか?」と追っかけた。

そして、家具売り場に直行して「これです!」と三枚ガラス戸の食器棚を指した。
20年以上前のダークブラウンで重厚感のある2段重ねのものであり、これは古い型ので極端に激安にしたものだ。
「これ、わたしの部屋に置いて飾棚に使いたいの」と諦めきれないようだ。

「2段重ねだから上下に分かれま・・・」と説明しかけたら、
「えっ、そうなの?それだったらワゴン車でも積めるかしら?」と血色良く聞いてきた。
俺としてはアンティークにもならくて、単に古い食器棚だから早めに売ってしまいたかった。

しかし、物は立派な物で当時は大金だろうと想像はできるのだ。
人によって考え方が違うけど、自分の感性に合致すればこんなに安くてイイ買い物はないのだ。
例え、それは値段と同額以上の配達料をかけても十分に安い筈でもあったが・・・