リサイクル親父の日記

第745話 業界噂話が先行して・・・呆れる仙台リサイクルショップ親父でした

2009/09/19

セリやオークション会場で同業者が集まれば、根も葉も無い噂話で盛り上がったりする。
それでも互いにはライバル関係であり、肝心の重要な秘密は言わないし、逆に何かの情報を引っ張り出そうと躍起になっている。
噂話には責任も無いから、勝手に想像が想像を呼び変な風に話が変化している。

リサイクルショップ業界にもそんな具合に噂話好きな人もいるし、骨董業界にもいるものである。
誇張と嘘が虚々実々に盛り込まれているから、まともに話を聞いてしまうと大きな怪我をしかねない。
この業界に入った時から直感的にそれは分かったから、俺は一切噂話を気にしないようにしている。

同業者とは遊びや飲み会をしないという方針を貫いていて、疎ましさからは解放されている。
しかし、俺もセリやオークションで知り合った人とは一般的には会話もするし、たまには知り合いの店にも行ったりする。
互いの商売は商売であり、人の懐には手を突っ込まないように心掛けている。

相対的な取引に置いても、互いに無理しない程度の売り買いはするけども、それ以上にネゴはしないことにしている。
活きた情報、本当の情報を交換できる人を見つけるのは意外に難しいと常々感じている。
だから同業者意外に仲間をつくった方がはるかに得る効果は大きいようだ。

他人のことを言う時は実に勝手なことを言っているものだから、それに目くじら立ててもしょうがないけどね・・・
今年2月頃に骨董のセリで俺はとっても気に入って大金をはたいてセリ落としたことがあった。
その後に数日間に数人の骨董屋さんが、買った物を見せろとやって来た。

顔見知りの骨董屋さんだったから応じたけど、実は内心あまり気分のイイものではなかった。
更に数ヶ月間には別の骨董屋さんたちがやって来たものだ。
どうやら俺は業界の恰好の噂話の材料になっているようで嫌だった。

今日来た同業者はリサイクルショップの大型店を経営している知り合いだった。
1年振りくらいで来た知り合いは、今日は市場調査に出回っているそうで、ついでに俺の店に寄ったらしい。
一通り店を見学した後に5~6点を買ったが、カウンターに腰を下ろした。

「セリで凄い物を買ったそうだね、随分金持って歩いてるんだね?」と聞いてきた。
俺は一瞬戸惑いを覚えたから「何のこと?どういう話ですかね?」と聞き返した。
「骨董屋さんも手を出せないほどの物を買ったって話だよ」と噂話の内容を答えた。

「買うには買ったけど、骨董屋さんが買えないんじゃなくて買わなかっただけだよ」と答えた。
「そうは言ってなかったぞ」と返してきた。
「他人の話は尾ヒレが付くものだよ、まともに聞いちゃだめだよ」と俺は諭したが・・・

細々と毎日の売り上げに一喜一憂する俺が、客観的な「大金」など出せる訳はない。
俺が主観的に思う「大金」と額が違うのだ。
骨董のセリでは、物によっては驚くほどの金額で簡単に売買がなされているのだ。