リサイクル親父の日記

第749話 呆れ果てるどのほ無愛想に・・仙台リサイクルショップ親父はアングリ・・ 

2009/09/23

洗濯機1台だけの買取依頼電話をしてきたのは若い男性だったと思う。
しかも階段4階だったので、どうしても2人で出張しないならない。
数年前の物であるが彼は高く買取金額を希望していた、誰もが高く希望するが・・・

4階でエレベーターがないとくれば、敢えて無理してまで欲しいとも感じない。
出張の手間代を考えれば査定は低くせざるを得ないのが実情である。
その朝、新築間も無いアパートであろうその建物はオートロックが装備されていた。

部屋番号を押すと、少し間があって、「ハイ・」と女性の声がした。
要件を告げると、インターホンは無言「・・・」、そして、ギュウーンとガラス戸が開いた。
4階までの階段を登りながら、女と一緒かと考えたりしていた。

チャイムを鳴らして部屋を見て、年配の夫婦が居たので、予想は裏切られた。
俺は淡々と買取の洗濯機を検品した。
そして、受け取りを記入してもらう時に父親には住所が定かでなくて事情がはっきりした。

最初に電話をよこした男性が息子で、そこで暮らしていた。
何かの事情で引っ越すが、引っ越し作業には両親が来ていて、今は本人不在なのだ。
だから受け取りを記入する父親はアパートの住所を覚えていなかったという訳だ。

父親の後方の奥の部屋で片付けをしている母親は不機嫌極まりない状態だ。
部屋に入った時に俺が挨拶しても無視していたし、先程のインターホンにも答えもしなかった。
洗濯機を部屋から運び出して挨拶をした時にも、当然の如く無視し続けていたのだ。

一方の父親はどうだったか?
こちらは愛想は特段良くはなかったけど、母親のように不機嫌で無愛想ではなかった。
ごく普通の態度であった。

もし、ここに住んでいた若い男性が大学生ならば、洗濯機の年式から判断して大学2~3年生くらい。
仙台市青葉区片平、この地域には東北大学と東北学院大学があるし、近辺には専門学校もある。
学業半ばで止めるのかも知れない、そんな思いを同年の子供を持つ俺はふと思った。

子供以上に親の思い入れは強くて、母親には残念無念さがあるのかもしれない。
人の幸せは学校だけではないし、別な再出発もそれなりに上手くいくかもしれない。
当人の気持ちと人生だから、例え親だとしても代わって上げらるわけではないだろう。