リサイクル親父の日記

第751話 懐かしさよりももっと昔かな・・仙台リサイクルショップ親父も記憶にないほどに

2009/09/25

仙台市の八幡という場所、新しさと古さが混然一体となっている。
ピカピカの高層マンションがあると思えば、少し奥に入るとクネクネトした細い道路沿いに古い家並みがあったりしている。
年々と古い家はマンションに建て替えらるから変化が大きい。

その地域から時々買取依頼が入ったりする。
電話で内容を聞いていると、古い家か新しいマンションか予想できるほど俺も分かってきていた。
1年前に家具の買取に行った家から久しぶりにお呼びがかかったのだ。

何れ近いうちに家を解体すると言っていたから、いよいよ解体が決まったそうだ。
そこで、古い倉庫にしまっていた物を処分するが買取して欲しいという。
俺の記憶に残っている昔の医院としての建物が、今は朽ち果てた倉庫になっていた。

敷地は広大で医院だった倉庫、古い母屋に数十年前に増築した部分が繋がっている建物は、それでも十分に余裕があった。
北側が玄関になっているが、南側にはこれもた大きな庭があり、尚且つ、別棟の木造倉庫が建っていた。
現在は当時お医者さんだったお孫さんの代で、お孫さんたちが数人いるようで、皆で思い出の品々を選りすぐっていた。

その残り物が山の様に余っていて、それを買えないかという話なのだ。
俺はその古い物を前にして、そこを掻き分けて売り物を見つ出す苦労を思うと軽い目まいを覚えた。
勇気をふるって倉庫の手前にある物から検品しだした。

一つずつ手にとって埃を払い除ける。
物が何かを確かめて、壊れていないか、傷は無いかをチェックしていくが、埃は数ミリは積っているから・・・
急いで埃を払えば埃が舞い散る、そして、手は埃でまっ黒だし、ズボンも埃だらけ、おまけに鼻の穴にも埃が入る。

初めは不衛生さに嫌気があったが、作業を進めるほどに商売人根性が出てくる。
2~3時間も夢中になって掻きまわして探していた。
俺の小さい時分に使っていた物や見た物が多数あったが、懐かしさと同時に生活の貧しさも一緒に思い出された。

倉庫の奥へ進むともっと年代の古い物が出てくる。
俺の記憶にも無い物が多数出てるくが、それは骨董のセリでしか見られないような物でもある。
その倉庫で探した3~4時間は、俺のタイムトラベル、時空をさかのぼり子供ころを十分に楽しめた。

古い空き瓶、絵葉書、地図、書棚・・・など・・・など。
でも残念だったのは、焼き物の食器の類は欠けとひび割れが全部に入っていたので商品にはならなかった。
店に戻って洗面所に入って鏡を見たら、顔中が埃だらけでパンダのようだったよ。