リサイクル親父の日記

第760話 ある日、産廃業者から・・・知らずに出かけた仙台のリサイクル親父でした

2009/10/04

買取依頼の電話は見ず知らずの不特定多数の人から舞い込むものだ。
電話では品物の内容を概略でも聞きだしてから、どうするかを判断するようにしている。
詳しく問いただすと、煙たがったりされてしまう場合もあるので頃合いは大切だ。

あまりにも不可解な答えやぶっきら棒であれば断ってしまうこともある。
電話の男は、「いろいろあるよ、コンポに会議テーブル、陶磁器、他にもたくさんあるよ」と横柄に言っている。
細々したことを聞くよりも俺は買ってもいいと思う物について問うた。

「会議テーブルは状態はどうですか?剥がれや傷の具合はどうですか?」。
「全く問題ないよ、新しいものだよ」やはり威張り気味に言っている。
これ以上聞いても相手は横柄になるばかりと予想できたので、取りあえず出向くことにした。

住所を聞くと、結構山の方面で車で30分はかかる場所だった。
「今日の午後に来てよ、午後一番」と男は時間指定をした。
知らない場所には遅れてはいけないから少し早目に着くように出かけることにしている。

言われた住所に着いてチャイムを押すと、民家からは奥さんが出てきて、ここじゃなくて別の場所、会社を言うのだった。
俺は気分が悪くなったのだ。
初めから会社の住所を言うのが一般的ではないか、自宅を教えることと電話での話し方から察してヤバそうな予想が湧いた。

指定時間の午後一番の5分前に到着したら、そこは産廃業者の会社で昼休みで敷地には誰もいない。
俺が建物へ入ってウロウロ見渡していたら、別棟の2階の窓が開いて声がした。
「・・随分早く来たね、少し待っててよ」と窓が閉まった。

10分以上待たされてから、男は爪楊枝を手に持って歯に当てながら別棟から出てきた。
物を見せてもらうと、まなまあ程度の良さそうな物が建物の隅と中二階の隅にかためられて置かれている。
コンポにビデオ、DVD、電気ストーブ、聡明器具などが無造作に並んでいた。

電気ストーブをコンセントに刺すと、ヒーターは点かず故障している。
「電化製品はチェックしてるんでしょうか?」と聞いた。
「チェックしてないけど、ダメか?」と逆に質問してくる始末。

俺は電化製品には手を付けないことに決めて、他の物、テーブルや箱入りギフト、額縁などを査定した。
対象品の3割くらいを選んでから、「買ってもイイのはこれくらいですね、値段はxxxx円です」。
「なんだ、そんなもんにしかならないのか?しょうがねえなぁ~、まあ、いいよ」。

すると作業員に残った物を廃物籠に入れるように指示を出した。
作業員は仕分けして廃物籠に入れ始める。
そうなのだ、ゴミにする一歩手前に売ろうとしたのだった。

その場所は仙台市郊外でもあり、どこのリサイクルショップ業者でもが行くような所ではない。
残り物に福ありというけれど、今回は、残り物に福も無いが・・・という結末。