2009/10/05
リサイクルショップは買取を増やして仕入れをしないと、商品が集まらない。
だから、できるだけ買取チャンスは逃さないように努めるものだ。
大型店やメジャーな店には人も物も集まり易いかも知れないが、俺の店は細々としか集まらないから・・・
いつも買取の話がくることを首を長くして待っている。
持ち込むお客さんもいるけど、よくよく話をすると、近くの店で断られてから俺の店に来たとか、残念ながら最後に来ている実態が分かる。
でも、そんなお客さんは諦め気分が強いので、値段では無くて引取だけでもという雰囲気でもある。
しかし、総じて物は良くは無いから、買取しても知れている。
一人ソファー、PC机、チェストなどの買取依頼の電話があったので期待した。
最後に住所を聞いたら、仙台市青葉区国分町という飲食繁華街だった。
電話を切って、ゼンリン住宅地図で調べたら、飲食街のすぐ近くのマンションである。
道路は狭い一通と接している、そのマンションは間口が狭いし、細長い建物で駐車場は付いてないのでトラックは駐車できそうにない。
離れた場所では搬送が大変だし、トラックに1人付けないとならない。
お客さんは女性だから、チェストは7段引出で大きめだから作業に2人、すると3人で出張となる。
仮に、2人であっても作業の難しさというかややっこしさはコストが嵩む。
それにソファーは汚れや擦れがあるもので安くしか販売できない、PC机も知れている。
すると、チェストのためにだけ国分町に出張できるかを検討しないとならない。
お客さんは買取を希望していた、多少でもお金になることを期待しているのだった。
電話で予約を受けたが再検討する必要があるのだ。
ネットでストリートビューを見てみた。
地図で調べた時より道幅は狭いし、交通量も多そうだし、隣近所がギッシリ接近しているから現実は厳しいのだ。
代案を考えてお客さんに電話した。
「・・例えば、時間を朝にしてもらえないでしょうか?交通量も少なくてやり易いので・・・」と俺はお願いした。
「え~っ?そんな時間はイヤ!午後一じゃないとダメです」と彼女は気だるく言ってきた。
「そうですか・・・それでは申し訳ないのですが、今回はキャンセルさせていただきたいのですが・・・」。
「どうして?買取しないの?できないの?」と強く言いよってきた。
「検討したんですが、場所が場所で人手もかかるし、その時間帯では経費の方がかかり過ぎまして・・・」。
「ウ~~ン、ヤダ~、わたし、困る!」と納得してくれない。
「・・・・」俺は無言を通した。
「何処も来てくれないのね、買取してくれないんだから、この間の店も!」と真実を吐いた。
「スイマセン・・・キャンセルさせてくださいね」と俺は電話を切った。