リサイクル親父の日記

第769話 知り合いがいるけど・・・仙台リサイクルショップ親父は・・

2009/10/15

水道工事屋をやっていたが、歳も歳で止めた。
ついては使っていた工具を買取して欲しいと電話があった。
使っていた物だがまだ使えるし廃棄処分するには勿体ないし、買取してもらえればありがたいという。

俺は物の状態次第だし売り物になるのであれば買取できると伝えた。
すると、その日の夕方暗くなってから店に来た。
途中で道路が分からなくなったため電話があったが、目標を教えたら直に到着した。

ワンボックスカーに夫婦で店の入り口の真正面に乗り付けたので邪魔な感じがしたのだった。
夫が直ぐにハッチを開けてドカドカと工具を下ろし始める。
ガスホースに火口にラチェットスパナー、レンチなど舗装の床に並べらる。

どれもが年季が入っていたが設備屋さんが使うには問題は無い。
大型のパイプレンチは小売で買うと高額だし、以前にも販売したことがあった。
50点ほどのほとんどは売り物になりそうだし仕入れてもイイと思えた。

俺は工具の種類を見て疑問が出たから聞いた。
「専門的な物ばかりだよね、もっと一般的なペンチやスパナー、ドライバーなどは無いんですか?」。
「そんな物もイイのか?あるよ、次に持ってくるか?」。

「特殊工具も悪くないけど、一般的な物だと誰でも買えるし、使うしね」。
そんなやり取りをしていたら、奥さんが話に入ってきた。
「わたしね、リサイクルショップのXXさんを知ってるのよ、近くだし・・」。

「・・あっ、そうですかぁ~・・」と俺は相槌を打ったが・・・
「でもねぇ~知り合いに持って行くのもどうかと思って」。
同業者のXXさんは俺も知っていて、俺の店から車で40~50分かかる場所じゃないか。

普通に考えると知り合いで近くに居るXXさんに売る方が簡単だ。
人間の心理としては、遠くの知らない店で売り払った方が精神的負担は無いのかもしれない。
そこまでは考え過ぎかな?

でも、もし俺だったらと考え直してみた。
シャイな俺は、店の商品を知り合いに売るのが苦手なのだ。
特に、売るのも買うのも値段交渉をするのが苦手だし、自分のエゴを曝け出すのが嫌なんだよね。
エゴかプライドか分からないが、そんな癖が染みついている。