リサイクル親父の日記

第778話 補助椅子まで並べなくちゃ、仙台リサイクルショップ親父も疲れる

2009/10/24

常連のお年寄りグループが3人で来たから、レジカウンター前のお客さん用の椅子は埋まってしまう。
店をやっている俺には常連さんも初めてのお客さんも皆同一にお客さんなのだ。
常連さんは自分が優遇されるべきお客であると思っていたりする場合が非常に多いのだが、これも人情だろうか?

そんな状態に別の常連さんが来るという場面は何度もある。
最初に居た常連さんがそれを察知して早めに退去するのが自然な動きだ。
少しのオーバーラップがあっても、直ぐに常連さんが入れ替わって椅子が埋まるのがイイのだけれど・・・

今日はそんなに上手い具合にはいかなかった。
最初のお年寄りグループは先程来たばかりでコーヒーを出したところである。
各々が買いたい物を物色したりするから今から暫く滞在するのだ。

重なった常連さんもいつもの様に1時間以上は居る筈だし、なんて思っていたら別の常連のおばちゃんたちがやって来た。
だからこの状態では俺が仕切るのはほとんど不可能と化す。
座る椅子が無い常連さんにもコーヒーをサービスする。

カウンターのコーヒーカップを常連さんの背中を避けつつ取ろうとすると、着席の人と自然に声を交わすようになる。
「アッ、すいません」、「どうぞ、どうぞ」なんて、すると常連さん同士で話が成り立つのだ。
そこまで誘導すればお互いが会話をできるようになるし、スムーズになる。

遂にカウンター前には7~8人のお客さんの塊が形成されてしまう。
嬌声が飛び交い、とてもリサイクルショップって雰囲気じゃない、何処かの居酒屋って感じだ。
足りない椅子を補うために、売り場にあった折りたたみパイプイスを持ってきて、全員が座る始末。

ぎこちなかった会話は趣味の合う者同士に小グループ化して、会話は2重、3重に発展している。
誰が誰と話しているかサッパリ分からない混沌状態となっていた。
こんな雰囲気も悪くはないと思うし、こんな店は他には無いと確信もできる。

商売だから売れないと困るけど、売り上げ至上主義でもないから気にはならない。
だって、かれらは気に入った物があれば買うし、それも、俺の店で買いたいと思っているに違いないのだ。
その証拠になるかどうかは別にして、日常的に差し入れをしてもくれるんだ。

高血圧でダイエットが必要な俺は、差し入れされるお菓子などを有難く矛盾を感じながら頬張るっけ!?
やがてスーッとみんなが帰った後は潮が引いた海岸の様に寂寥感が漂う秋の夕刻。