リサイクル親父の日記

第788話 ヤジキタみたいな二人に仙台リサイクル親父も大笑いだよ  

2009/11/05

買取依頼の話も色々な形で舞い込むものです。
歳の頃は60代後半の年寄り男の二人ずれで、共に防寒ジャンパンーを着ていて少し恐そうな風体。
小太り気味に白髪で少し禿げあがっていて似ているが、顔つきは全く違うのだ。

レジカウンターに二人でドカドカッと寄って来て、突然話し始めた。
「・・こんなのがあるんだが買わねえかぁ~」とレジを乗せてある事務机をゴツンと叩いて言うのだった。
さらに、「いれるやつ・・なんだっけ・ロッカーつうの?それもあるけど・・・」と言う。

話の内容が分からないけど、丁寧に聞きだす努力をした結果。
どこかの小さな事務所の事務機を買い取って欲しいということだ。
数量は少なくトラックに半分にもなるかどうかのようだった。

俺は「物の程度次第ですけどね、その辺はどうですか?」と聞くと、
一人は「イイよ、大丈夫だよ」と言ったが、もう一人は頭俺はの捻っていたのだ。
「そんなことは・・・」とか「イイよ」とか「う~ん、でもよ、あんまり・・・」とか言い合いになった。

オイオイ仲間割れかよ、と内心で思った。
次に「いつにしますか?」と聞いた。
「何時でもいいよ、朝6時でも7時でも構わないよ」と一人が答えた。

その時には別の一人はレジから離れてウロウロ店内を歩いていたのだ。
指定日は日曜日である、俺も早朝の方が好都合だった。
そしてどうにかこうにか日時は決まった。

最後に住所を聞いたのだが、その時は二人が俺の前に揃っていた。
「住所?・・分からねぇな~、あそこを行くと角にスタンドがあるだろ?その裏だよ・・」。
そう聞いても、店から30分も離れた場所の地理が頭にある訳はない。

地図を取り出して開いて場所を教えてもらうことにした。
すると二人は何度も何度も地図を見るのだが分からないらしいのだ。
そりゃそうだ目が悪くて小さな字が判読できないのだ。

あうでもないこうでもないと延々と二人は探し続けるが分からない。
俺は地図をフィードバックさせて幹線道路までめくって、そこを起点に地図上の建物を確認しながらガイドしていった。
「そうだよ、ここだよ」、「うん、そうだ」と二人は安堵の表情になった。

俺は最初に感じた恐い人という印象から程遠いかれらを、まるで弥次喜多のように思えた。
俺は念のために日時を再確認した。
すると、中座していた一人が「なんでそんな早い時間なんだよ!」と言った。

もう一人が「いいんだ、早くてもいいだろ?」と掛け合いになった。
「・・・」、「・・・」と二人で言い合いながら店を出て行ったのだった。
外に出てからも「・X/・」、「・・」と聞こえていた。