リサイクル親父の日記

第796話 風水の力はすごいよ・・なんて仙台リサイクル親父は感謝、感謝    

2009/11/13

俺には占いや姓名判断などはとてもじゃないが信じられない。
・・と、思っているし、これからも信じようとは考えていない。
・・が、昔からある風習や因習はどのようにしてできたかを考えると、俺の中では消化不良をきたす。

日常生活では原理原則を考えたり悩んだりしないし、現在の生活をどのように暮らすかという経済活動に専念している。
リサイクルショップも職業として日々の生活の糧を得る手段であり、それが楽しくて充実すれば好都合なのだ。
適正に買取仕入れをして適正に販売することで利益を得て、お客さんに喜ばれれば本懐である。

実は1か月前にふらっと現れたサラリーマン風の男性がいた。
持ち込んできた物は風水グッズの数々であったから、「風水をやるんですか?」と俺は聞いてみた。
「えぇ、もう役目を終えたので、それにたくさんあって女房に始末したらって言われて・・・」と彼は答えた。

「この手の物は特殊で売れ難いんですよ」と俺は予防線を張ったのだ。
「自分は大借金を風水のお陰で返済できたんで、次の方に譲ろうと思って、だから、値段は幾らでもいいんです」。
生真面目に言うから俺は自分の強欲さが恥ずかしくなってしまい、「へぇ~、そうですか?」ともじもじしてしまった。

しかし、無茶苦茶な査定は失礼だから妥当な値段を出したら、彼は喜んでくれたのだ。
それから3回彼は風水関係品を持ち込んできた。
ある日、「一般的な物というか、例えば、餅をつく臼とかはどうですか?」と聞いてきた。

「臼は簡単には売れないし、でも、買取はしますよ」と俺は今までの経緯から買取を了解した。
それから1週間後の今日、車の助手席に臼を乗せて彼は来た。
その臼は欅のくり抜き造りで大変立派な物であるが、細かいひび割れが数条走っている、でも、使用には問題が無い。

実際に臼を使おうと思って買いに来るお客はほとんどいないし、むしろディスプレイとかガラステーブル用に転用されたりしている。
この時は彼に希望値段を言ってもらったが、俺の査定と差は小さい、だから、俺は彼の希望値段で買取をした。
しかし、何時売れるかと考えると不安もわいてきた、長期戦を覚悟せざるを得ない。

30分経つか経たないかに電話があったのだ。
「おたくで餅つきの臼は売ってるかい?」と塩釜からと問い合わせだったから、本当に驚いたのだ。
俺の声のトーンが上がるのが自覚できたが、「ハイ、あ、ありますよ・・・・・」と夢中になって説明した。

塩釜のおじさんは検討すると言って電話を切った。
それから30分後に又しても「臼」の問い合わせ電話が入る。
話が進むと最初に問い合わせてきたおじさんではないか、あちらこちらと何処かしこと電話しまくっていたのだ。

「あの~先程電話をいただいた店ですよ、随分急ぎの様ですね」と俺は思わず口から出た。
「アッ、そうだったか?やはりおたくにしか置いてないようだし、物が良さそうだし、今から買いに行くよ」。
1時間後におじさんは奥さんと二人でやって来て、大変気にって即決したのだ。

俺は臼を売ってくれた彼の言葉を思い出した。
「自分には風水の力は役目を終えたから、次の人に譲ろうと思って・・・・」。
ひょっとして、まさかぁ~、俺に彼から風水の力がシフトしたりして!!!???
そんなの「ウス!」(ウソ)