リサイクル親父の日記

第803話 夜逃げ事務所の・・・仙台リサイクルショップ親父の人助けか?

2009/11/20

仙台市中心部で官公庁にオフィスビルが建ち並ぶ一角の側の小路角の細長くて高いビル。
一通で100円パーキングもたくさんあるので、例えば、トラックを駐車して積み込み作業を考えると憂鬱だ。
先約は短時間で済んだので、次の予定には30分以上も時間があるし、しょうがないので喫茶店で一服。

入居していた会社が夜逃げをしてしまい、その事務機を買取できないかという電話だった。
住所を聞いた時に俺は少しためらったんだけど、依頼者はどうしてもと懇願してきたから受けたんだ。
喫茶店でレゲエミュージックを聞きながらコーヒーを頼んで、少し後悔もした。

駐車するにも苦労するし、作業員を一人多くしないと駐車違反の取り締まりに引っ掛かるかもしれないのだ。
目的ビルの1階では飲食店が営業している、何処に事務機があるかと想像すれば、2階以上ということになる。
すると階段で重い事務機を下ろさなければならない、これは大変な作業ではないか。

ウエートレスから教わったジャマイカのコーヒーの飲み方、砂糖とミルクの代わりにコンデンスミルクを入れるらしい。
それを試してみたが、事務機の搬出のことで頭がいっぱいでジャマイカコーヒーの味は分からなかった。
約束の時間が来たので喫茶店を出て向かった。

1階の飲食店は昼飯時で10人以上のお客がテーブル4~5台を占めている。
店の人に用件を伝えるとほどなく2階から依頼者が下りて来て、貸していた事務所、今は空き部屋に案内する。
階段を上るのだが、何回も階段を踊り場でターンする、何処まで登るのかと不安が募った。

「ここですよ、家賃滞納が6カ月以上、挙句の果てに夜逃げでまいっちゃったよ!」と言った。
俺はそれ以上に階段の4階に途方に暮れてしまったのだ、階段の幅も広くないし、トホホと・・・
「階段で、しかも、物が事務机やスチールロッカーですからね、・・・ちょっと人出が相当かかるし・・・」と呟いた。

「2年前の物だし状態いも良いだろ?高く買ってよ!」と意気込んできたのだが・・・
俺は後ずさりするしかないし、「手間代の方が高くつきそうだし、茶色も事務机では売れ難いし・・・」今度はハッキリ大きな声で伝えた。
「やっぱりなぁ~、何処でも買ってくんないのよ、安くてイイから、それに、従業員に手伝わせるから、なんとか頼むよ」。

それほどの条件が出るのであればと俺は考え直した。
「分かりました、やりましょ!」。
「助かるよ、ホント有難い」安堵の顔色が依頼者に出たのだ。

話がまとまり階段を下りていた時に、踊り場の隅に寸胴鍋が2階と3階に各1個置いてあった。
「この寸胴は使わないんですか?」とさり気なく聞いた。
「そう、使わないけど、持って行ってもらえる?助かるんだけど」と了解するのだった。

家賃が払えないと夜逃げをするずるい輩にあたると大変なことになるんだね。
俺も減収減益の苦しい経営が続くが、いの一番で家賃は支払うようにしている。
家賃が払えなくなるのであれば、店は潰すしかないし、迷惑をかけないうちに潰すのが良策だと思うが・・・