リサイクル親父の日記

第808話 いい加減な話は困る・・仙台リサイクルショップ親父も切れそう

2009/11/25

若い男が飛び込んできて「これ、買取で幾ら?」と横柄な物言いでハンカチに包んでいた物を出した。
片手に隠れるくらいの横長い物は、ハンカチを広げると折りたたみステンレスナイフだった。
使用感は無いがケースや箱はなく裸のままだった。

「幾らになるの値段は?」と聞くから、俺は「他では幾だったんですかね?」と逆に質問した。
「・・あぁ~、一番高いのが6千円かな・・・ここは幾ら?」、査定金額を兎に角要求してくる場合は成約が難しい。
「買っても良いけど、特別、欲しい訳でも無いし・・・まあ、2千円ですね」と答えた。

「フン!」と言ったように聞こえたら、男は踵を返して直ぐに店から出て行ったのだ。
買い値を聞いたら「9千円」と言っていたが、それは高過ぎると思えた。
数千円、高く見積もって精々5~6千円の品物にしか思えないから、販売は数千円が限界である。

しかし、気分の悪くなる見積だと一人憤慨したのだった。
翌日、なんと男が同様に現れたのだ。
そして、「昨日、2千500円で買うって言ったよね!それで売るよ!」と威張るのだ。

何を言ってるんだこの男は、若いのに常識も無く威張った言い草をしてる、ギャフンと言わせたい欲望にかられた。
しかし、ここは抑えないとならない、何回も続く時は我慢もしきれなくなりそうだったが・・・
「そんな値段は言ってないよ、ウチは2千円と言った筈ですよ」と強く言った。

「イヤ、2千500円だよ」、「無理ですよ、それは」と押し問答になる。
「6千円で買う店があるって言ってたでしょ、そこで売るのが普通ですよ、どうして其処で売らないの?」と逆襲した。
「ブランド間違って査定したんだってよ、だから、買えないって!」と言った。

どうも説明が納得できないし、強引な言い方も気分が悪い、買取をしたくなくなっていた。
「ウチも買えないね、値段も合わないし」。
「じゃ、2千円でいいよ、売るよ!」と投げ捨て的に言った。

「あのね、さっき、ウチは断った筈だよ、2千円でイイと今さら言われても買えないね」と断る。
カウンターに投げ出されてたナイフをガバッと鷲掴みにすると男はバタバタと出て行ったのだ。
こんな子供だましな幼稚な一人芝居をしてまで2~3千円で売りたいのかと呆れた。

時たま、三味を引いたり、要するにハッタリを噛ませる輩が来たりする。
それに高く売りたくて嘘を言う人もいる。
でも、今回の男は分かり易かったから難を逃れられたけど、巧妙な嘘に騙されてしまうこともあるんだ。

商品が欲しいし、それもたくさん欲しいし、数カ月分くらい大量に欲しいんだ。
だから騙されたりするし、焦るから欠陥を見逃したりしてしまう。
急がば廻れってを肝に銘じないと、急いては事を損じてばかりの今日この頃。