リサイクル親父の日記

第810話 通信教育に弱い人・・仙台リサイクルショップの親父が同情・・

2009/11/27

リサイクルショップは売ったり買ったり両方できる店だという特徴がある。
常連さんはその辺を上手く使うことがある。
以前買った物を飽きたりして売ることがある、そして、探し物を店で買う。

店に定期的に通って来て欲しいものが入ると即決するが、必要性が薄れると買取に回す。
実に上手い方法であると俺は感心する。
中にはリサイクルで買って1~2年使った後に転勤や引っ越しで買取に出してくる場合もあり、レンタルより安く上がるのだ。

普段はたまに店に来て買って行く男性だ。
今日は珍しく売りに来た。
「これを買取してください」と箱入りギフト数点と服数点をカウンターに乗せた。

全品買い取りできる物だったけど、
「どうして書道道具は要らないの?使っていなかったんですか?」と疑問を問うた。
段ボール箱にビシッと入った書道道具と教材はどちらも未開封なのだが、外箱に貼られていた送り状は剥がされていた。

俺でもそれが意図的に送り状を剥がしたと気づくし、それを知られたくなくて無理にむしり取ったと分かる。
彼はたいへんおとなしい性格である、モジモジしながらゆっくり小声で説明した。
「通信教育で・・・なんとなく・・・買ってしまい・・・やっぱり使わないし・・・要らなくて・・・・」。

そこまで聞いた時に彼が以前も同様の話をしていたのを思い出した。
「そうですか?前にもあったんじゃなかった?」と追い打ちをかけてしまった。
「・・うん、そう・・・前にも通信教育で資格を・・・でも、やっぱり無理で・・・」。

「やらないんだったら買わない方がイイんじゃないですか?お金が勿体ないし」。
「・・俺も・・そう思っているが・・・」と、しかし、彼はそれ以上話せなくなった。
続きを待っていたが、言葉が出ないのだ。

「??? ひょっとして??押し売りかい?無理に買わされてるの?」と聞いた。
「・・」と首は恐ろしく垂れてしまった。
何かを耐えているのが分かる、その場面を思い出したようだ。

「俺は断るんだけど・・・断ってもしつこく勧めてくるから・・・しょうがなくて・・・」。
俺は、「うん、そうね、あいつらしつこくて社会問題になってるよ」と説明した。
「そうなんですか?」と何処までもお人よしの話をする。

詐欺まがいの商売をしている連中は買った人などの名簿を売り買いもしている。
気の弱い人は何度も同じ手口に攻め立てられている。
そして、断り切れずにハンコを押してしまうらしい。
だから、意外に身近に詐欺商法がはびこっているのだ。