2009/11/29
仙台市中心部なら高層ビルやマンションが林立するのも分かる。
リーマンショック前の開発だったろうから、最近新築高層ビルがドンドン完成してきている。
そしてリーマンショックだから入居は低下して空室率が上昇しているのだ。
景気が上向いている時には高層ビルを見ると、凄いな、儲かるって凄いなと俺までが感心したりした。
1年前のショック後にはその豪華さは砂上の楼閣の様に虚しさが感じられるから、俺の気分次第で見方も180度も変わってしまう。
仙台市から二つ離れた市、岩沼市という街がある。
国際線も飛ぶ空港があるし竹駒神社という地元では有名な場所もあるが、しかし、地方に変わりはない。
この不況でここも四苦八苦の様子だし駅前も低調なのだ。
繁華街は郊外に移り旧市内は魅力もないほどだが、そこは駅前という好立地である。
国道4号線バイパスからアプローチしていくと、低層ビルの間から突然高層マンションが目に入るのだ。
2~4階建くらいの建物が疎らに見受けられる地域だから、17階建ては異様で異常に目立つのだ。
10階建くらいと17階建ての2棟だけがある、東京都庁ツインタワーの如き風景だ。
築2年なのでエントランスもエレベーターも全部ビカビカしている。
保育所の送迎バスが来てたので、若いお母さんたちが入り口付近で数人談笑している。
建物がビカビカだと住人もピカピカに輝いて見えるから不思議だ。
17階の部屋に向かうべくエレベーターに乗ると、音も静かでを速さ感じずに短時間で着くから驚きだった。
通路は風当たりが良過ぎてビューンビュンと髪や服が舞い上がる、そして、遠望する風景は遮る物が何一つない。
地の果ての果てまで見えて、その先の山並みにはうっすら冠雪が認められる奥羽山脈らしい。
部屋のドアーを台車で止めて中に入る、窓側の眺望は遠く水平線がかすんでいる。
なんとも絶景かな絶景かなという心境になる。
買取品はベランダに置いてあったのでサッシ戸を開けて外に出る。
すると風が玄関からサッシ戸にギューンと抜けるから、新聞紙と雑誌と布切れなどが一斉に舞い上がった。
俺は物の運び出しよりも後片付けに追われる羽目になったのだ。
一仕事、二仕事を終えておばさんに言った。
「ここは高いですね、ホントに」。
すると、「ええ、とっても高かったのよ」とどうやら購入価格を言ったらしいのだ。
リーマンショック前でもあるし高かったであろう価格、それにしても、高い所は高所恐怖症気味の俺は怖くて苦手だ。