リサイクル親父の日記

第824話 チェックは大切です、ホントに

2009/12/12

リサイクルショップを長らくやっていると買取にも慣れ過ぎてしまうようだ。
同じ種類の物を扱うと見ただけで分かってしまうような錯覚をしている。
だいぶ前に買取をしていた電動工具である。

状態も非常に良くて見た目は新品に思えるくらいだから安心して買取をした物だ。
特徴は一般的な物よりは少し特殊でプロが道具の一つとして持つか持たないか微妙な物だ。
だから普通の人は使い方は分からないし見たこともない、すると、プロの一部の人にしか向かないという結果になる。

買取をして店内展示をしていてもなかなか声がかかり難くて、もう1年も経っていた。
それが今日買いたいというお客さんが現れたのだ。
ガラスショーケースから取り出してきて検品チェックとなった。

バッテリーは残量があり、スイッチを押すと廻ったから安心したんだ。
更にチェックは続いて、次にバッテリーチャージができるかどうかを試みたら、無事に充電パイロットランプが点くので安心したんだ。
再度バッテリーそ装着してスイッチを押すと、・・・?廻らない・・のだ。

どうして?なんで?数回試すと正常と不良を繰り返すのだった。
俺とお客さんは交互に手に取ってチェックをやるんだが、やはり不良の時があるのだ。
どうやら内部の配線か接点にほんのちょっとした断線が起きたり、繋がったりするとしか思えない。

9割は正常なのだが・・・しかし、仕事中に1割の確立で不良で使えないと仕事ができなくなる。
お客さんは安くてイイ物に出会ったからできれば買いたい・・・
この不景気で安いとはいえ工具はそれなりに買う決心をしたはずだから、諦めるには惜しいという。

しかし、修理代が皆目見当がつかないのでは俺もギャランティーできない。
「スイマセン、申し訳ありませんが、これでは売り物になりません・・・」
そんな頭を下げるしかできなかった。

実は新しい物ほど買取価格は高くないと仕入れができない。
売る方も新しい物には執着して売値を要求してくるから、俺も査定は高くする。
仕入れが高くて不良品だとすると、泣きっ面に蜂になる。

防衛策はただ一つ、入念なチェックしかないのだ。
しかし、入念なチェックを必要とするほどメーカーに対して不信は無い。
その結果、作動チェックは簡単に省略してしまっている。

今回の様なことは不可抗力だが、店の損害は小さくないから経営的にはダメージが残ってしまう。
今後は少し厳密にチェック基準を上げようか?
でも、直ぐに又、慣れてしまいそう。