2009/12/16
リサイクルの買取で知らない場所に出かけるが、俺はオッチョコチョイだからヘマもしでかす。
今朝の買い取り先の部屋番号は206号室、だけど俺は208号室をノックしてしまった。
道路に面して建っていたイエローのアパートで建物の中央部に階段がある。
アパート沿いにトラックを止めて、階段をパンパンと駆け上がった。
右、そして、左を見た。
右側の方は若い番号だったから、目的の部屋は左側だと分かる。
左折して奥の部屋番号も見ると206号室に見える。
ドアーをトントンと叩くが応答がない、ケータイをするが又しても応答がない。
再度、ドアーをノックしたが応答がないから、少し待とうかと考えた。
通路でウロウロしながら階段よりの部屋を見ると、そこにも206号室と見えるのだった。
よくよく俺の前の部屋を見ると、そこは208号室ではないか。
じっくり見てみると、8の字の右肩がかすれて消えている。
俺がオッチョコチョイで206号室と錯覚してしまったのだ、一人で笑ってしまった。
そうして待っていたら依頼者からケータイに連絡が入った。
「すいませ~ん、今、向かってるのでもうすぐ着きますか・・」と女性の声。
ケータイを切ってから、俺は女性の声が違うのに気付いた。
昨日、電話で話をした女性は若くてピチピチって感じ、ところが、今話をした女性は落ち着いっているし声が太い。
トラックで待っていた俺は窓ガラス越しに現れた中年女性に、はやり昨日の声は聞き間違いだったと思った。
トラックを降りてアパートの部屋に向かう時に、彼女に一緒にもう二人女性が付いてきた。
部屋の入って買取依頼の洗濯機も前に質問すると、後に付いていた若い女性が説明をする。
やっと俺は事情が呑み込めた。
昨日の電話は部屋の住人だった娘さんである。
先程電話で話したのはお母さんである。
家族で娘の引っ越しの立ち会いに来たのだ。
俺は救われたんだ。
俺の記憶力の低下や錯覚でなくて良かったんだ。
最近、物忘れをしたりするし、歳も歳だなんて思うことが多いから・・・