リサイクル親父の日記

第830話 田舎の古民家で・・・大丈夫だよね?

2009/12/18

買取はしたけれど、物は良品で珍しいから、でも大きいから、だから、安く値段を付ければ、直ぐに売れると俺は予想した。
確かに読みは当たったのかもしれないが、残念ながら飛び付いた人たちは全員が、置くスペースの問題で破断してしまう。
玄関に入れば置きたいんだが、とか、ベランダに置きたいが入るか心配入だ、と一応に置くスペースが狭くて無理だったのだ。

その後も続々と興味を持つ人はたくさんあったが、同様の理由により成約には至らなかったのだ。
その木製のアジアンテーストのソファー型3人掛け椅子は今日もただ単なるデスプレイーと化している。
2台がデーンと家具売り場のメインを占めているのがそろそろ俺も我慢がきそうにないから・・・

お年寄りと息子に見える二人が店内を行ったり来たりしながら物色していた、もう1時間も滞在している。
家具売り場に厨房関係売り場、かと思うと骨董品売り場と彷徨っていて、どうしてなのか少し気にはなっていたんだ。
すると40代の坊主頭の息子らしい男は、染付の古大きい皿と同じく染付の焼き物鉢をレジに持ってきた。

「もっと欲しい物があるんですが・・・」とボソリと言った。
「・?ハイ、どれですかね?」と返事をしたら、「あっちの家具」と家具売り場に進みだした。
木製椅子の前で立ち止まり、「これだけど、暫く置いてて欲しいが・・・イイですか?」と取り置きを尋ねた。

「どれ位の期間ですか・それにもよるんですが・・・」
「来年1月か2月初め頃まで・・」
「それくらいだったらイイですよ、預かります、清算はしてもらえますよね?」

「金があちこちで買い物したんで底を付いてる、もう一か所行かないとならないし・・・」
「それでは幾らか手付金をください、それであれば取り置きしますよ」
同時に、俺は彼がどうしてそんなに木製椅子が必要なのか知りたくなってしまう。

彼はある高速道路のインターから近くにある古民家を借りて蕎麦屋を始めるそうだ。
古民家は意外に大きくて、座席数も多いが、広いので色々と飾り物を探している。
ネットでそれ風の物を50~60万円も買ったが、まだ足りないと思っている。

手持ち資金は底を突きかかっているが、探していた物に出会えたから押さえたくなったのだ。
「いつ頃、開店ですか?」と聞いた。
「3月だと思う、でも未だ借入ができるかどうか返事が来てないんだ」

「エッ!!それでスタートしたの?大丈夫なの?」
「なんとかなるよ、きっと・・・」と平然と答えた。
そして、彼は水やタンスの上に陳列されていた獅子頭を見つけた。

ごく最近買取した古い獅子頭のペア、赤色と黒色の獅子舞に使った物だった。
俺は、古民家の蕎麦屋にバッチリ似合うと確信できた。
でも、「金もないんだし、これは買わない方がイイね~」そう助言したけど・・・