リサイクル親父の日記

第848話 売掛が倒産されちゃってだって・・・

2010/01/11

リサイクルショップを開業した頃からのお客さんである。
彼も家業を継いで2代目として自営業で食品製造をやっている。
1~2ヶ月に1度か2度は店に来るような仲である。

目的買いで来る場合もあるし、近くに来たから顔を出す場合もある。
数年前までは世間話をしても、仕事の話をしても顔色は大変良くて声にも元気があった。 
付き合いも長くなると言動の雰囲気や調子で様子が分かるようになる。

毎年、彼の元気が失われているように感じて、俺は心配も出ていた。
大抵は夕方や夜に仕事を終えてから来る、だから、お客さんの少ない時間帯でもあり我々は忌憚のない意見を言い合っている。
食品のことは詳しく分からないが、俺も以前に魚や菓子関係の仕事に係わった経験があった。

彼の言うメーカーとしての悲哀や状況が少し分かる。
年々、メーカー卸としての商売は厳しくなっていて、儲けも細るばかりだ。
経費の切り詰めもありとあらゆることをやっているが限界もいい所だ。

朝から晩まで年中無休状態で仕事に資金繰りに取り組んでいる。
俺も商売は違うが似た状況だから、本当に良く分かるんだ。
彼が青色を変えて飛び込んできた。

取引先の1社が暮れに自己破産して2ヶ月分の売上が回収できなくなってしまった。
僅かな利益が出るかでないかのギリギリの商売だから、1年間は無駄になってしまったそうだ。
その嘆きと落胆は大きく、俺は同情するしかなくて慰めの言葉も見つからない。

取引先のお客さんはどうやら計画倒産であった。
半年前から支払いが悪くなっていたが、しかし、2ヶ月前から納入数が突然増えていたそうだ。
疑問もあったが、これが仇となってしまった。

不景気の中で商売が落ち込むのはしょうがないが、売上が回収できないのでは自分の経営も足を引っ張られる。
昔から言われているが、商売が小さくても現金が安心だ。
貸し倒れはないから、小売、しょうばいの積み重ねが・・・改めて感じた。