リサイクル親父の日記

第852話 ミッドセンチェリーから和骨董へ趣味が移ってしまう

2010/01/15

独身の一人住まいはほとんど1Kアパート住まいである。
場所が良ければ家賃は高くなるため1Kも狭くなるの道理の様だ。
仙台市宮城野区の卸町はその名の通り卸会社の集積地であり、近辺もや事務所会社関係が多い。

その10階建て賃貸アパート的なマンションとでも言ったらいいのだろう。
古風な名前のマンション名は一度聞くと忘れられないが、道路が狭いのだ。
車1台しか通れないから路上駐車もできない、でも、来客用の駐車所もないから・・・

50~60m離れた丁字路の太めの道路側に止めるしかない。
繁華街ではないが駐車監視委員が回ってきてもおかしくない地区だから、運に任せて止めるしか選択肢が無い。
台車を2台小脇に抱えてドタバタと俺は部屋に走る。

入口から部屋までの2mの通路兼キッチンにバストイレ、流しに並んで冷蔵庫洗濯機が所狭しと並ぶ。
俺はデブ目だから自然に斜め歩きをしてしまう。
部屋も当然狭いのだが、窓際にマットレスが敷いてある。

壁には民芸タンスが2棹配置、反対側壁にはソファーが置いてある。
タンスとソファーの間にはコタツにラックが1~2台、ところがその中間部は物で埋まってしまっている。
アレれ?民芸タンスとマットレスの直角コーナーに火鉢があって、中に赤々と伝熱ヒターが灯っている。

茶釜に電熱ヒーターは知っていたが、火鉢にそれは初めて見たから不思議な気がした。
狭い部屋で炭を焚いて一酸化中毒になる可能性を考えれば、電熱ヒーターが余程安全である。
控えめでおとなしそうで線が細い感じの色白青年はどうやら骨董が好きなようだ。

ソファー、机に椅子、ラック、コタツと不用品を出し終わった時、俺は査定金額を伝えた。
「あの~、もっとあります、雑貨品がありますが・・・」と声音弱く言う。
「そうでしたね」と俺は電話でも言われたことを思い出した。

アンティーク風の木箱、コカコーラロゴ入りグッズ、ミニカー、プレスリーのレコード盾など、どれもレトロ調の置き物や飾り物を多数出したのだ。
俺も 経験を積んでいたので、この手の商品は多数扱ってきた。
「アンティークでイイんじゃないの?どうして、要らないの?」と質問した。

「古いのが好きなんですが、日本物が好きになってきて・・・」
「分かる、分かるよ、俺も商売だけど骨董品がだんだん好きになってきている」
「部屋狭いし、好きな物が変わってきてて・・・」

「よく骨董屋に買いに行くんですかね、どの辺の店に行くんですか?」
「店は分からないですよ、ネットで探すんです」
その答えに俺は納得もしたけど、危険性も感じた。

「今度、俺の店にも顔出して下さい、骨董品もあるから」
「・・えぇ~」と彼は控えめに返事した。
運び出しと積み込みを手伝ってくれた優しい青年でした。