リサイクル親父の日記

第866話 ルンルン若者が自慢するんだね、同棲生活を

2010/01/29

ある日曜日の午前11時くらいの電話での買取依頼なのだ。
「ハイ、リサイクルですが・・」と言いかけると性急に喋ってくる。
「あの、今日、今日買取に来てもらえますか?」と最優先に聞いてくる。

「えぇ~、まぁ、物にもよるけど、午後夕方ころだったら行けるかも知れ・・」と答えると。
「それじゃ、それでイイからお願いします、住所は・・・」。
「ちょっと待って下さい、物は何ですか?買取できる物か確かめないと・・」と俺は諭した。

「あっ、ハイ、冷蔵庫に洗濯機、レンジとテーブルですが・・」。
「何年前の物ですか?古いと難しいので、分かりますか?」。
「冷蔵庫は5~6年かなぁ、洗濯機はもらった物で、レンジは相当古いっす、10年以上は・・・」。

話を聞いたが良く分からない状況でもあり、切羽詰まった言い方も気になったから、俺は迷った。
若者は記憶を辿るが関心が無いために全く違うことを言ったりもする。
その結果、凶と出るか吉と出るか不安もあるけど、商品も確保したい。

仙台市八幡町という場所は学生の多い場所だから、てっきり若者も学生かと思っていた。
現場で検品すると4年前の冷蔵庫と洗濯機だから安心できたが、レンジは20年前だった。
その後に「これもイイですか?」と電気ポットにアイロンも出してきた。

「一人が引っ越してるんで、俺も片付けに行ってたんで・・」とニコニコして話す。
「引越しシーズンもそろそろだしね、何処へ引っ越すの?実家に帰るの?」と聞いた。
「二人で・・一緒に暮らすんです、それで余るし、彼女の方が新しいから・・」とニコニコ。

「あれ?学生じゃないの、同棲?」と俺は聞き返した。
「ぼく、働いてんです、毎日楽しいっすヨ!」とニコニコが大きくなる。
それは誰しもが経験する初めての恋かも知れない。

嬉しいに決まっているし、毎日がルンルン気分真っ盛りだろう。
買取を終えて車で出発しようとした時、彼は車の後ろに回り込んだ。
「ぼく、後ろ見ますから」と元気よく言う。

居酒屋で働いているという彼は愛想も良くテキパキとした働き者なのかな、と俺は想像した。
狭い駐車場に頭突っ込みした車を道路に出すのは俺の運転術ではシンドイ。
本当に彼の誘導が助かったんだ。