リサイクル親父の日記

第872話 桜が綺麗だが、彼女はちょっと????

2010/02/04

仙台駅の東口は再開発が急激に行われている地区である。
東北楽天ゴールデンイーグルスが仙台を本拠地としてからはとくに有名になっている。
東口と球場を結ぶ線の少し外れに榴ヶ岡公園という桜の名所がある。

毎年花見の時には市民が押し掛けて大変な賑わいとなる。
そのすぐ近くの賃貸ワンルームマンションから買取依頼であった。
「午後2時前だったら何時でも構いません・・2時以降はダメですが・・」と気だるい声。

日にちを聞くと、できるだけ早くして欲しいと言うから、明日の朝9時になった。
マンションはオーナーさんの家が1階の大半を占めていて、住人用出入り口が右端に小じんまり窺える。
地主でありオーナーであろう方は、自宅兼用賃貸マンションを立派に建てたのだろうと思える。

オートロックではない。
でも、玄関の二重ドアーは開かないのだ。
住人にケータイで連絡してから解除してもらわないとならない。

8階のエレベーター近くの彼女の部屋は、ドアーを開けると色とりどりの靴が通路にはみ出す始末。
小さい靴箱の上にもこぼれ落ちそうに靴があるし、廊下にも何足もあるし、靴で俺はパニくった。
部屋に上がるにも靴が邪魔なので、赤、白、黒、サンダル、パンプス、ブーツを暫し整理してから入ったのだ。

読者のみなさんは彼女の部屋の様子は想像できると思います。
異臭もしてましたし、カラフルな下着も散らかっていますし、脱ぎ捨てられている物もある、カーテンはビッシリ閉まっているから薄暗いし・・・
流しも筆舌に尽せない惨状です。

どうやらホステスらしくブランド品がザクザク、何でも気に入れば買いあさるが大切にしないようだ。
金遣いが超荒いらしくて、買って少し使うと飽きたりするから次々と溜まる。
新しくてイイ物が溢れかえっているが、どれも汚れてたり傷んでいるから価値が無くなってしまっている。

「おじさん!いらないの全~部、持っていってよ」と寝むたげな眼で、それに、だみ声で言う。
それはゴミを引き受けることになってしまう。
「イヤ、それは困ります。引き取れる物で良ければ持っていきますが、どうしますか?」。

「しょうがないけど、それでイイワ」と不承不承了解するのだった。
ゴミ集積所と見間違う中で俺は黙々と果てしない分別作業となった。
作業を終えて、俺は通路から眺めた榴ヶ岡公園を見て思う。

桜は綺麗だよな、しかし、彼女の部屋はなぁ~~
若い子の独り暮らしの現場は最近こんな感じが増えてます、若い人だけではない現実もあるが。
ゴミ屋敷は日本全体で増加していて、これは一種の病気でもあるらしい・・・