リサイクル親父の日記

第874話 自転車を積めるかしら?

2010/02/06

数日前に自転車を探しに来た女性がいる。
店の外で軒下部分になっている売り場を案内した記憶があった。
その日は一見して帰ったようで、帰ったのは知らなかった。

今日夕方、自転車を見せて下さい、乗って試したいのですが、と言ってきた女性は彼女かと記憶が蘇った。
折りたたみ自転車を気に入ったようで、折りたたみ方を教えて欲しいとなった。
折りたたみ方が分かると、次に、乗用車に積めるかどうか試したいとなった。

小雪のちらつく夕暮れ時、真新しい軽自動車の後部ハッチを開けると意外に広い。
後部座席シートを前方に倒すとラクラク積めるとスペースと思えるが、彼女が持ち上げて試みると上手くいかない。
そこで俺が持ち上げて積み込むと何の問題もなく積めた。

再度彼女が試すが失敗だ。
身長が150cmくらいなので持ち上げても荷台に少し届かなくて引っ掛かるのだ。
持ち上げ方、片腕の位置が悪い、オーバーハングするから少し高さが足りないのだ。

俺はオーバーハングではなく肩に載せるように勧めると、見事にクリアランスができて無事に積めるようになった。
しかし、新車に積むにはキズが付いたりしそうで少々勿体ない気持ちも出た。
「どうして積むの?車があるじゃないですか?」と俺は愚問を発した。

「エッ?・・積んで何処にでも行ければ、そこで自転車に乗れるでしょ!」。
「そんなもんですか?」。
「街の中でも、何処へでも行けるでしょ!だから・・・ところで、これはイイ自転車でしょ」。

「シマノは自転車では一流メーカーですよ、それがこの安さだし間違いありませんから」。
「おじさん・・・値引きしてよ」と彼女はネゴしてきたが、
「それはできません、格安ですからね」と俺は即答した。

「そうよね~、色んな店を調べたんだけど、ここが物が良くて安かったわ」だって。
俺は褒められて嬉しいが、喜んでいいのかからかわれているのは判断ができない。
折りたたみ方を忘れずに、何処へでも行くことが出来て、乗れればイイのだがと老婆心が出た。