リサイクル親父の日記

第875話 悪いすっぽかし方ばっかりだよ~

2010/02/07

リサイクルショップを開業した頃に色々と面喰らったことがある。
小売業は初めてのことだから、売り方も何のノウハウも持っていなかった。
単純に仕入れた物に利益を乗っけてとか、自分だったら幾らで買ってもイイかとかを考えて売ったりしていた。

ある時、「明日買いに来るから取って置いて」と予約したお客さんがいたので、取り置きした。
翌日、いつまでも待っていたが来ない。
翌々日もやはり来ない、結局そのお客さんは来なかったのだ。

そんなことが何回か重なると、店としては対策しないとならないから商談中と売約済みという規定を考えた。
俺は、自ら約束したりした場合に自ら破る行為が理解できなかった。
更に、その類の人が意外に多いかも知れないということが発見でもあった。

同時に、店に対して自分がお客だという奢りなのかと、イージーに言動を弄する。
久しぶりに過去のそんな出来事を思い出したのだ。
1月末と数日前にたて続けにすっぽかしにあってしまったからね。

半年に1度来るか来ないくらいのお客さんで顔を見ると思いだせる。
「あの時代タンスもらうわ、幾らにしてくれる?」と値引き交渉をしてきた。
俺の店では、10万円以上の品は大変高額品だから滅多に売れない。

その辺は必ず値引き交渉を申し込まれるし、ケースバイケースで俺は応じもする。
「う~ん、入ったばかりだけど・・・特別だけど・・端数を切りましょう」。
「分かったわ、2~3日中に来るから」と、もう2週間も経っている。

もう一人は初めてのお客さんで厨房品、ステンレスバットでのことだ。
店の右隅売り場のコーナーでガチャガチャ、ゴトゴト、ガッチンゴッチンと大きなぶつかり音が暫し聞こえていた。
その後、そこから男性客がレジに来て「ちょっと・・スイマセンが・・」と呼ぶ。

「コレ・・せんぶ、欲しい・・幾らにする」と聞き慣れな日本語、たどたどしさのある口調で聞いてきた。
中国系か韓国系の人だろうが、全部を「せんぶ」と発音するので分かる。
業務用ステンレスバットは総数で15枚ある。

特殊だし、家庭用ではないので売れ難かったので、この際売ってしまっても良かった。
「業務用は定価は高いですよ、安くしてますが・・値引きは考えますよ」と答えた。
「そう・・はんぶん、はんぶんだったら・・せんぶ買うよ」とシビアに強気に言う。

しかし、そんなネゴには応じる訳にはいかないから突っぱねる。
最終的に2割値引きで合意するが、
「明日、あした買いに来るよ」と彼は帰ったのだが、もう1週間経ったのだ。

ハードネゴシエイション(?)の末にすっぽかしだから、値の張る品でのすっぽかしだから徒労感は極めて強い。