リサイクル親父の日記

第877話 ギフトはタダなの?と電話で聞かれるが・・

2010/02/09

電話での質問に戸惑うことがあるんだ。
仙台市若林区は店からは隣の区だから比較的近いし、俺も大分と土地勘があるようになっている。
その地区の借家住まいのおばさんから受話器を取ると、「ギフトはタダかね?」と意味不明の質問だった。

「?・・どういうことですかね、タダってことはないですよ、査定して金額だしますけど・・・」。
「リサイクルって何処でもタダじゃないの?」と益々意味不明となる。
「他所の店はどんな買取をするかは分からないが、ウチは査定をちゃんとしますから、タダってことはないけどねぇ」。

すると彼女は少し考えたようで「・・明日、頼んだところが来るけど、おたくは今すぐ来て、買取してよ」と申し込むんだ。
「そちらに頼んであるんでしょ?それはできないよ、そちらはどうなるんですか?」。
「だってタダって言ってるんだから、大丈夫、断るわよ」と言う。

借家は相当古びた一軒家、近いうちに引っ越すためか4~5部屋ある室内は何処も物が溢れていた。
廊下や台所の床の一部にベコベコと沈む個所があり、俺の体重で持つのかと心配も出た。
150cm幅食器棚、小引き出し、ポットワゴンなど家具も5~6個ある。

「この家の物、全部要らないの、息子に物は持って来なくていいからって・・・」と彼女は説明する。
次に、奥の部屋のギフトが山の様に積まれている方を示した。
「これだけあるのに・・タダっていうのよ・・・おかしいと思わない?」と怒気が出ている。

俺は一目見て、新し目の箱だと気づくし、それが1つ2つではないし30から40箱はあるのだ。
しかし、検品しないと査定は出せないから、中身を確認し始めた。
「・・ねぇ~どうなの?高く買えるでしょってば!」と俺の様子を確認して迫って来た。

タオルセット、毛布、布団、シーツなどなど、箱入り新品の生地物は文句なく売ることが出来る。
他には花瓶や漆器のお盆など、ブランド品のカップアンドソーサーや和風焼き物食器などだ。
他所の店での売れ筋かどうかは分からないが、俺も店では重要なアイテムが多数あったのだ。

これだけの数量の品々を「タダ」と査定するリサイクルショップには呆れるしかない。
見積は品を見て、人を見て、それで査定するらしいが、人をバカにするような査定だと思った。
俺は儲かる査定をしたが、彼女は大変喜んでくれた。

彼女の夫は側で聞いていたがボソッと喋る。
「前の奴、若くて、かなり変な奴だったよな・・・」。
俺も安く買い取らないと商売にならないが、踏んだり蹴ったり、殴ったり的(?)に査定する気にはなれない。

大甘査定では仕事としては成り立たないが、徹底的にタダ同然に引き取るのもどうかと思う。
お客さんがタダでイイから持って行ってという場合も確かにある。
そんな時には甘えさせてもらったりはしているが、できる範囲で査定を出したいと思っている。