リサイクル親父の日記

第883話 テクテクといつも紙袋にぶら下げて・・・

2010/02/15

真冬だから寒いが、夕方も6時頃だと日によってはかなり寒い。
仙台でも店のある場所は比較的暖かい方だが、その時間にはマイナスになっている日がほとんど。
時にはカチンカチンに凍っていたりするから、歩くのは滑ってしまい大変だったりする。

そんな天気でも彼女は歩いて店に物を持って売りに来る。
国道4号線バイパスを横断してくるのだが、歩いて20分はかかるほど離れている。
年齢は60代半ばでバツいちで独身の一人暮らしのアパート住まい。

宮城県南部の街から引越ししてきて2~3年になる。
パートで仙台中心部に勤めている。
だから、仕事が終わった後に店に来るので6時くらいになるそうだ。

今は一人になり気楽に自分のことだけを考えて生きられるので充実していると言っている。
再婚の夫に嫁いだが、先妻の娘が居て、大変嫉妬をされてイザコザが絶えなくて辛抱できなくなったそうだ。
離婚も色々あるが、一緒に暮らすだけが幸せでもないことに気付いたそうな。

毎日生きているが、新しい場所で生活してからは煩わしさはない。
唯、知り合いもいないので淋しさはあるそうだ。
日本全体でも孤独な一人暮らしが増えているから、彼女もその一人なのだ。

押入れに入れて置いた相当前の食器や日用品である。
包み紙を開けて検品するとシミがあったり、錆がうっすらでている物もある。
5枚セット食器は4枚になったりしている、1枚は自分用に持っていたいから。

「この歳になると、明日がどうなるか分からないから・・・物を片付けておきたいの・・・」
そんな口上が少し哀れにも感じるが、身の処し方は自分で決めるのが宜しいかと俺も思う。
数ある中には査定が出る物もあり、思わず彼女は喜びが出る。

その持ち込みが1週間に1度くらい、でも、暫く間が開く時もある。
「ちょっと具合悪くてさ・・・」とか「片付けも大変で・・」と理由を言う。
「まだまだ、あるわよ」と言うが、いつまで続くものやら。

あぁ、今晩もテクテクと歩いているのかな、滑らないと良いけどと心配になる。