2010/02/17
細くて背の高いノッポビルのマンション、1フロアー4室で8階建てだから誰が見ても背が高く感じる。
T字路のー側でトラックを止めるにも交通の妨げになるから、少し離れた所に止めざるを得ない。
仙台市太白区の西中田という場所で、店とはJRや新幹線の線路を挟んで対象の位置にある。
敷地が狭くて道路から直ぐに玄関があり、ガラス戸を入ると、これまた、直ぐにガラス戸、またまた、エレベーター乗り口という案配。
玄関に入って一歩進むとガラス戸、もう一歩でガラス戸、更に一歩でエレベーターです。
エレベーター内も狭いから、ベットもあるが大丈夫だろうかと心配になる。
オーバーな表現をすれば、エレベーターを出て2歩進むと彼女の部屋702号室だった。
腰高の食器棚が2台、これは問題なくエレベーターに入りそうだ。
二人掛けソファー、これも縦にすれば入る。
まあ、冷蔵庫に洗濯機は何ら問題なく入る。
しかし、やはり狭いから、それぞれは1回に1個しか積み下ろしができないのだった。
雪が路肩に少し残っていてカチンと凍っている、下ろした物を仮置きしていた。
ベットは枠とマットレスが一体型、木製捻じ込み足が6本付いているダブルサイズなのだ。
足は外す、でも、マットは曲がったりしないからやや長方形で分厚のだ。
二人で持ち上げるがやっとやっと。
「エレベーターに入れば持って行けるが、・・・」と俺が言う。
彼女は顔色を変えて言いだしてきた。
「すいません・・・どうしても持って行って欲しいんです、お願いします」。
部屋から運び出すのも一苦労する。
ドアーから通路の手すりの上に3分の一空中に出して、そこで直角に戻して通路に出せた。
エレベーターに突っ込もと、案の定、半分ほどで詰まってしまうから諦める。
「お願いします、わたしも手伝いますから・・階段で、お願いします」必死の形相だ。
7階からダブルベットを手作業で下すなんて、危険過ぎて普段は断る。
真剣に真面目に頼まれるから気持が動かされた。
「分かりました、頑張ってみます」言うは易し行うは難しは論をまたなかった。
階段も当然だが狭いし、ズシリと重いからステップを外す時もある、ズルッとよろける。
各踊り場で空中出しをしないと方向転換もできないのである。
「わたしも手伝います」という彼女は手を出すチャンスはある筈もない。
俺らの周りをウロウロと上に下にと怯えた顔で見守る。
7階から5階までは一気に下ろしたが、体力がかなり消耗してしまう。
マットは手摺と手摺の壁、階段の天井に何度も何度も擦れてしまい、端々が擦り切れ状になってしまった。
1回に下ろし終えた時に、俺は怪我しなくて良かったと安心したんだ。
「ありがとうございました」と数回彼女は頭を下げてくれたから、俺は達成感と満足感でいっぱい。