リサイクル親父の日記

第886話 ゲートボール場の休憩所に置くんだよっ、っと・・・

2010/02/18

お年寄りが3人で来ていた。
すると家具売り場から俺を呼ぶのだった。
「これはx千円って書いてあるが、本当にこの値段か?」とお爺さんが確かめた。

二昔前の型の本棚で上半分ほどガラス引き戸があり、下部は引出、高さ150㎝で横幅90㎝で無傷。
数日前の夜に持ち込みの常連さんから仕入れた。
セリやオークションでは仕入れは絶対しないし、一般買取でもそれだけでは仕入れないものである。

プリント合板作りだから見た目とは違ってチャチだし、古いから商品価値は低いのだ。
しかし3人は、「これは安くてイイぞ」「まだまだ使えるわよ」なとと相談している。
「配達料を足しても安いわね」と大変満足していた。

つかつかとカウンターに3人は寄ってきた。
「もらうわ、買うよ、午後に取りに来るから」とお爺さんは威勢が良い。
バラバラの中良しだが、誰が買うのは判然としない・・・

領収書を書いてと言われたから、宛名を聞く。
「あのな、ゲートボール場の休憩所に置くんだよっ」と今度はお婆さんが説明した。
3人は実に喜びあい嬉しがった。

「ところでゲートボールの道具はないか?」と聞いてきた。
残念ながら一つも在庫は無かった。
俺はそんな光景に接すると、和気藹藹と人生を楽しみたいものだと思ったりしてしまう。

各人の人生の悩みや思い、考え方、生き方は個々に違う筈だ。
老後に生活に追われずに余暇を自分の好きなことに費やせるという幸せもある。
背負っているものはあるだろうが、遊び仲間との憩いのゲートボール。

一つでも二つでも何か熱中して楽しめることがあるのはイインジャないかしら。
この3人はどなたも嬉々として活き活きしてニコニコしていた。
笑い顔が印象的で、応対している俺まで楽しかったのだ。