リサイクル親父の日記

第894話 商売やってるから包むのはお手の物、お任せして!

2010/02/27

そのお宅は仙台の家を売却して東京に引っ越しをする。
但し、今回仙台に居られる日数は数日間だけで、引っ越し片付けをして戻る。
日時を合わせて出張見積すると、その日は見積だけの筈が買取までと話が進んだのだ。

2階建てで居間と台所を2階に配置している。
仙台市の住宅街で近くにはアパートも群れているし、敷地が広くないのと隣家が密接している。
2階に居間を造るのはイイ考えだと思った。

眺めが良くなるのと日当たりが良くなるから、現に空がきれいに見えていた。
車庫には新車の外車が収まっている、それに庭には大甕が数個無造作に置いてある。
外見よりも家の中は重厚な造りである。

ダイニングテーブル上に箱入りギフトが積まれている。
居間や1階の部屋、和室には仕分けしている物物と品々が混在してる。
「ピアノと応接ソファー、時代タンスなどは東京に持って行きます。それ以外は買取できる物があれば・・・」。

お母さんと娘さんは二人で、これはどうかしら?あれはどうかしら?と買取できそうな物をすすめてくる。
残念ながら大型冷蔵庫は2階から下ろすのは至難の業だから諦める。
俺はギフトの他に珍しい飾り物、置物、それに骨董的な物を選びだした。

「わたしも仙台の中心部でお店をやってたの・・・娘も東京でお店やってるの・・・」。
「ウチの娘も今度東京で就職しました」と俺は答えた。
そんな事情を話しながら作業は進んだ。

「できるだけ持って行ってくださいな、残ったら処分するんだから・・・」。
しかし俺も売れそうな物でないと買取はできない。
「商売になりそうな物だけですね」。

「そうですよねぇ、分かります」と娘さんが言う。
ピンポンとチャイムが鳴って、大手リサイクル本屋の社員が入って来た。
玄関から廊下にうず高く本があったから、それを買取に来たのだ。

やっと俺は選ぶ作業を終えた。
査定金額も納得してもらい、運び出しとなったのだが、どうにも割れやすい物多過ぎた。
2階から下ろして本屋さんの脇をカニ歩きして持ち出さないといけない。

例えば、一人で手持ちするとなると階段を数十回は上り下りしないとならない。
その時、「わたしたち店をやっているから包むのはお任せ下さい・・」。
すると娘さんと相談して包んだものを入れる箱を探して、1品1品新聞紙に包み始める。

俺は一遍に運べる大きな物とかギフトをまとめて運び出す。
次に2階に戻り彼女たちが包んだ物をピストンで運んだから、大変スムースに作業は終えられた。
小走り、登り、持って、下りての連続だから汗はビッショリと出てたが気持は晴れやかだ。