リサイクル親父の日記

第903話 重~い、重~い、水屋タンスですが・・・

2010/03/09

半年以上前に買取して家具コーナーに置いていた大型家具、現代では食器棚と呼ぶ。
俺が幼時から中学生頃までは田舎の家の台所に置いてあって、食器棚として使っていた。
外寸で横幅と高さが1.8m、奥行き80cmくらい、上下2分割できる。

板は杉材が多いが、表面側にはケヤキの戸板だったり引出しだったりしている。
下段の下部は引出しになっていて、それが2段になっている。
俺らは「水屋タンス」と呼んでいる。

骨董好きは知っているが、実は買う人は少ない。
大き過ぎて設置場所に苦慮するし、そこまで大型はいらなくてイイらしい。
店で展示してても圧倒的に好奇心の対象でしかないから、懐古趣味の話のネタということだ。

さっきから水屋タンスを見まわしている男性がいる。
戸を外して細かく検品したり、側面に裏面までも検品しているし、引出しも取出しては内部の隅々まで・・・
大工さんが興味本位に調べているんだ、といつものように思えた。

やがて男性は俺を呼んだんだ。
「昔、我が家にあったんだが・・・これ状態イイよな・・・造りもしっかりしてるし・・」と確認にしたがった。
「なかなかこれぐらいの物はでませんし、これは貴重ですよ」と俺も思っていることを言った。

「よしっ!もらうわ!」と即決した。
「本当に買うんですか?奥さんに確認するとかした方がいいんじゃないですか?大丈夫ですか?」と念には念を押した。
同時に口で言っても、お金の支払いの時に躊躇したり止めたりするのはあり得るのだ。

「持ち合わせ無いから、ちょっとコンビニで下ろしてくるよ」と店を出て行ったから、帰って来るまでは心配した。
翌日彼は男性を従えて軽トラで取りに来た。
上段の方は二人で持ち上げるのは苦もない。

下段の方を彼ら二人で持ち上げようとするが上がらないのだ。
「重いな」と二人は唸った。
引出しを全部、戸板も外せば相当軽くなる。

それでもかなりな重量だ、やっと二人で持ち上げられる。
俺は現場から運ぶ時に大変苦労したことを思い出した。
「置く時には、十分気を付けて下さい」と蛇足的に意見してしまった。