リサイクル親父の日記

第908話 迷ったら買わない方がイイと言うのだが・・・

2010/03/15

ヘルパー仲間二人が時々一緒に店に来る。
一人は10年以上前から常連さん、彼女が数年前からヘルパーとして働くようになった。
そのヘルパー仲間友達がもう一人である。

訪問ヘルパーだからあっちこっちに行くようで、去年後半から店の近くのお宅に訪問しているようだ。
二人は俺と同年輩で昔話は共通した話題で互いに盛り上がれる。
買い物は主婦としての実用品が多いのだが、時々はヘルパーとしてのお客さんのために代行したりもする。

先日、圧力鍋を買うかどうか迷っていた時に俺はいつもの言葉、アドバイスを発した。
「あのね、迷ったら買わない方がイイよ、後で後悔されても嫌だしね」。
「それもそうね、もう少し考えてみるわ」と明るく答えた。

数日後に彼女はその鍋を買いに来たが、売れてしまった後だった。
「いつも、失敗するんだから、やっぱり欲しいと思った時に買わないとダメなんだから・・・」。
「そういう時もあるけど、しょうがないよ」と俺は屁理屈的弁明をするんだ。

今日は二人で揃って来た。
すると昨日買取して陳列したばかりの新品の箱入りソファーが目に留まったのだ。
友達が言う、「このピンクのソファー、とっても可愛いし、ごろ寝するのにピッタリ、でも、・・・」。

常連の彼女は、「あんた!欲しいと思ったら買わないと無くなるよ」と語気が強いのだ。
友達は頭をひねっている、「・・?・・」、何かの問題がありそうだ。
俺は、「迷っているのら買っちゃダメです、決心がつくまで買わない方がイイよ」と常套句を発した。

常連さんが割り込む。
「ダメよ、その言葉に騙されちゃ、わたし何度も失敗してるの・・」と更に語気は強くなった。
友達は、「それも、そうだけど・・問題もあるしね」とボソボソト言う。

「あ、あれね、カバーしとけばイイのよ、売れてしまうよ、直ぐ買った方がイイのよ」。
俺はそれ以上の言葉は控えた。
同じ内容の話を二人は数回繰り返していた。

「ウン、買うわ、コレください」と友達も決心した。
友達には痴呆症のお婆さんが紙おむつで一日中家にいる。
お婆さんは気づかないが、周りの人はその臭いで少し苦労している。

居間にごろ寝のためにソファーを置いてもお婆さんも使うだろう。
すると・・・・だから、友達は迷ったのだ。
そこの踏ん切りを常連さんに言われてつけることができたのだった。