リサイクル親父の日記

第909話 どうして?瑕疵は責任を取りますから

2010/03/16

リサイクルショップを長年やってきているが、販売基準が無い訳ではない。
一定の基準を作っておかないとクレームやトラブルに対処できない。
ケースバイケースで処理することもあるが、やはり基準は決めておくべきだと考えている。

先日、1年未満の家電類と一緒にノートPCを引越しする人から買取をしてきた。
大変丁寧に使用していたので新品にも思えるほどだったから、俺は奮発してまとめて買取をしたんだ。
そのPCはチェックしたが立ち上がりも問題無く、アプリケーションソフトではオフィスが入っていないのが一般的な短所だと感じた。 

OSはビスタにXPを乗せていたので操作性も特段の欠点はなくて、むしろ快適なのだ。
操作チェックを終えた時に常連さんが店に来た。
「それ幾ら?」と聞かれて、常連さんだからと安い価格を提示したんだ。

値段を付ける前に聞かれたりして、常連さんだったりすると、気の弱い俺はついつい情もあり易く言ってしまう癖があるんだ。
でも本当の意味でご愛顧いただいていれば、儲けが少なくても構わないと思っている。
細くて長い付き合いができることが最良だと思えるし・・・

「よし!買うわ」と一瞬で決まった。
俺の店には滅多にPCが入ってこないからチャンス到来であり、尚且つ、格安だからお徳の二乗くらいである。
「必要なアプリケーションはご自分で手配してくださいね」と念を押した。

「会社に詳しい奴がいるからやってもらうから大丈夫」と常連さんはご機嫌だ。
数日後に電話があった。
「マウスを接続するとフリーズしてしまい使えないから、返品したいよ」とトーンダウンした声。

確かにマウスは無かった、だから俺もテストはマウスを付けずにやった。
マウスが付いていないと正常で、マウスを付けるとフリーズするらしい・・・?????
でも、その原因は俺には到底分る筈もないし、解決方法も見つけられる筈もない。

「・・そうですか・・ハイ、分かりました、今度持って来てください」と電話を切った。
更に二日後に常連さんが来たが、手ぶら状態だった。
「うんと詳しい奴が見つかってさ、そいつがイイPCだから再インストールしてくれるって・・・ウイルスにやられてたようだって・・・」と元気な声だった。

そんな具合に思いもよらぬ原因があったりする。
不可抗力であり、俺の瑕疵でもある訳だから、常連さんには申し訳ない。
「修理費を負担しますよ」と申し入れた。

「えっ?イイのかい?助かるわ」笑顔が大きくなった。
「使ってもらうのが一番ですから、儲けはしょうがない・・俺のミスだから」と本音を言った。
予期せぬことや原因不明とかは勉強不足もあり時々起きてしまうが、誠意を持って解決することはできそうだ。