リサイクル親父の日記

第914話 どうして身勝手な人が多いのか・・・

2010/03/21

知り合いの骨董屋さんに声がかかったそうだが、骨董品ではなかった。
そんな事情から俺の方に声がかかってきた案件なのだ。
代理であり代行であるが、俺のリスクで買取をすることになった。

木彫り製品が多数あるのだった。
彫刻された木の椅子とテーブルが8点セットの応接セット。
他にケヤキを引いて造った衝立に長椅子や陳列棚が20点くらいあり、長い物は2m強もある。

古い家に新し目の母屋を継ぎ足しているから、2軒分の広さはある。
更に旧家だから物置きが二階建ときている。
お爺さんと中年の長男の二人暮らしだが、家を売却して引っ越すのだ。

小さい家には物を入れるのにも限界があり、本当に必要な日常家具だけしか入らない。
だから家具や置物で売れる物は買取して欲しいとなったのだ。
段取りは嫁に行った長女が手配している。

見積の時にも彼女が全面的に応対するから、俺は彼女との打ち合わせが全てだと思った。
3月のリサイクルショップにとっての繁忙期、彼女の意向を尊重して引取日を決めた。
引取日の二日前の夜に彼女からケータイが入る。

「お父さんと兄が引越しを終えた後にずらして欲しい」と丁重に言われたが・・・
「ウチも人手とトラックの手配をしてます、それに売れ難い物が多いから、買いそうなお客さんに声をかけてしまってんすので・・・」と事情を説明する。
結果、なんとか予定の日に引き上げすることはできた。

当日、現場にトラックを2台、4人で出向く。
運び出し作業を進めていくと、「これはダメです」とか「これは他の人に譲ります」と大よそ2~3割が止められてしまう。
俺は話が違うが止める訳にもいかず、積める物だけを運び出すことにした。

どうしてこんなことになるのか不思議でならない。
見積の時には3人立ち会っていたし、買取品を俺が言うと皆が了解していたのだ。
それを当日、現場でアレはダメ、コレはダメと言われてしまう。

心変わりと豹変はあるにしても、俺はビジネスとして人もトラックも、更に、お客さんへの宣伝もしているのだ。
トラックは3割スペースが空いたし、バイトも中途半端になったが日当は出さなければならない。
お爺さんと長男が約束を無視して他に売ったり、譲ったりしていたらしい。

彼女はその現場でそれを知ったが後の祭りであり、前にも増して俺に謝るのだった。
俺は中止された品々が大変惜しかった。
欲しいと思った物が圧倒的に中止されている。

どうしようかと迷ったり、ついでに持って行ってもイイと思った物が残ったのだ。
金額を減額して支払ったが、商売としてはキツイものとなってしまった。
本当は仕切り直しをするべきだが、俺も女性には甘くて・・・・シクシクと独り涙・・・