リサイクル親父の日記

第916話 2年前に買った新品、実は5年落ちだってサァー

2010/03/23

仙台市長町に理美容専門学校があります。
東北各地から理美容師を目指す若者が来ていて、アパート暮らしをしている。
2年の学生生活を終えて実家方面に帰るのが大半だ。

それと共に店のある中田町にも整体師専門学校もあり、こちらの卒業生も地元に帰るケースが多いのだ。
高卒で2~3年の専門学校卒だから、20歳から20数歳くらいが圧倒的に多いかな。
この時期は店も近いこともあって、その卒業生からの買取が増える。

女性からの電話で買取に行ったのだが、2年前に買い揃えたと言っていた。
冷蔵庫は年式が3年前、これは販売と製造が少しずれているので気にすることはない。
コタツは4年前、まあ、これもしょうがないかな、販売店は1年落ちを承知で売り捌くかも知れない。

洗濯機は7年前だから、2年前の販売の時は5年落ちなのである。
「この洗濯機は7年前の物ですね、確か2年前に新品で買ったんではなかったのですか?」と聞いた。
幼さが残っている彼女は、「そうですけど・・新品だって・・それで全部まとめて買ったん・・・・」と言葉がすぼむ。

ピンクで一人用の2.3kgタイプの全自動洗濯機は使用感が少なくて、まだ十分に使えると思えた。
俺は洗濯機の前で考え込んでしまった。
古過ぎるのである、せめて5年前くらいであれば買取もできるけど、7年前ではリスクが大きい。

「明後日、家に返るのでどうしても持って行って下さい、頼みます」とお願いしてくる。
リサイクルで販売しているけれど、5年以上経年していると極端に安くないと売れ難い。
いつも買取現場で判断するのは、売れ易いかどうかが第一で、二番目が外見の状態である。

俺は田舎の電気屋さんが売れ残り品を売り捌いたのかと感じた。
但し、普通に安く売る程度で済ませたのであればエグイ商売をしたもんだとも思った。
「何処の店で買ったんですか、仙台ですか?」と確かめたくなった。

「地元の・・・青森の田舎町で知り合いの電気屋さんですが・・・いろいろ勧められたの・・」
実にか細い声になっていたし、怖々とオドオドして話すのであった。
「そうですか、それは仕方が無かったんでしょうけど、これからはよく確認した方がイイですよ」。

いつものお節介親父的な講釈をしてしまったのだ。
俺は自分の子供たちにもこんなことを言ったことが無いのに、他人の彼女が心配で堪らなくなった。
だって世間には平気で金のために騙したり、裏切ったりする人もいる。