リサイクル親父の日記

第920話 遺産相続アラカルト、無くて良かったよ

2010/03/27

最近頻繁に来るようになったおじさんがいる。
店からほど近い場所の大地主らしい(本人談)、職業は農家で土地を多く持っている。
パチンコ屋に賃貸したり、たくさん借家があったり、他に本業用に農地を持っている。

昨年秋にお父さんがお亡くなり、ごく最近遺産相続の決着がついた。
弟に相当な土地を取られた、その上、税務署から凄く税金を取られてしまった。
だから一部の土地を売って納税しなくちゃならなかった。

「弟も欲張りで困ったもんだし、税金はむしり取られて、全くついてないよ」と嘆いている。
お父さんの財産を長男だし全部引き継ぐのが当たり前だと思っている節がある。
弟の相続分は自分の物を取られたと表現している、独占欲が強い強欲者。

俺の田舎にも大小は別にして、家督が全財産を引き継ぐのが当たり前だと錯覚している連中が多い。
親の面倒を見たから、とか、家を継ぎたくなかったが継がされて、とかを犠牲者の如きに言い訳をする。
しかし良く観察すれば、長男も長女も職業選択の自由があるし、何人も自由に生きている現代ではないだろうか。

農業で生計が立たなくなって嘆く連中も、20~30年前は何の疑問も持たずに後を継いだ感じがする。
我欲や強欲だけの人と話をすると反吐が出そうになったりする。
それでもお客さんだと思うから俺は本音を言わないが、帰った後には具合が悪い。

別なご年配の立派な職業の人が、昨年90歳以上のお母さんがお亡くなりになった。
弟にお母さんの面倒を見てもらっていたから、お母さんの棲んでいた家は譲る筈だった。
事情が変わってしまい、自分の息子のためにお母さんの土地に家を建てたくなった。

すると弟が約束が違うと言いだして、兄弟二人で相続でもめてしまった。 
俺の前で言う、「弟もがめつくて参ったよ」だって。
俺はどっちが~と思ったが控えた、そして、ふむふむと頷くふりをした。

不況が長引いているから経済的には幾ら金があっても要らないということはない。
もらえるモノはもらう、取れるモノは取る、という風潮だ。
兄弟は他人の始まり、実に名言ではないか。

俺の親父は財産が無かった。
という訳で相続するモノが無いから、争う何ものも無かったのだ。
親父に感謝している。(子孫に美田残さず、って考えていたらしい?)