リサイクル親父の日記

第923話 亭主関白の真逆、鬼嫁を見た

2010/03/30

仙台市青葉区中央は繁華街とオフィス街のど真ん中である。
ビルは立錐の余地が無い位に建ち並び、トラックを止めるのに一苦労、二苦労する。
大道路から入ると一通のマンション同士に囲まれた一角の3階の1K賃貸ルーム。

「単身赴任を終えて帰るので、家電や家具を買取して欲しいが・・」と電話があった。
聞けば、数年間に仙台に赴任してて、その時に買い揃えたという。
「見積に来てください、その結果で決めたいので・・・」と言うから向かった。

マンション付近をグルッと一回りして、当日の駐車場所を探すがなかなか適当な場所は無い。
見積を終えて伝えると、彼は即決してくれた。
「駐車場が無いようなので、どうしたら良いんですか?」と聞いた。

「玄関前しか・・引越し屋も止めてますよ、それしかないですよ」とキッパリ言った。
「でも・・・出る人の車に邪魔になりますが・・・分かりました、何とかします」と受けた・
1週間後に約束の時間に部屋に行った。

部屋の玄関が開くと、彼と奥さんと息子さんがいた。
窓からの陽光が逆光で三人の姿が黒く見える、そして、段ボール箱が何個も積み上がっている。
俺は作業に取り掛かろうとして、入口近くにある洗濯機に手を添えた。

彼は俺を制して、「こっちの家具は持て行くことになりました」と言ってきた。
「・・ハァ~」と頷いて洗濯機を部屋から外に出した。
「オ~ィ、これは持って行くってもいかな?」と彼は奥さんに伺いをたてている。

次に俺の方を見て、「ちょっと、待ってて、妻に聞くから・・」と言う。
その問いに対して奥さんは返事をする。
「ソレは持って行くわ」「アレはいらないから」「今、友達に電話してみるわ」なんて調子なのだ。

見積した時に、彼がキッパリ即答したことが全て破棄されていた。
一つ毎に奥さんの意見を聞いて、それで了解が出ないと決まらなくなっていた。
それでもモノは減ったり増えたりして計算は合ったが・・・

次にモノを運ぶのだが、彼も少しばかり玄関まで移動したりしてくれる。
奥さんと息子さんは腕を組んで見ているだけだ。
彼がテレビを持とうとすると、息子さんが声をかけた。

「親父、業者にやらせろ」って言った時に、俺の心の中で何かがはじけた。
彼は奥さんと息子さんの指示に従って甲斐甲斐しく振る舞うだけ・・・
それでも彼は怒ったりしない、むしこ、その声に従うのが嬉しい感じがしている。