リサイクル親父の日記

第924話 買うのはイイのだが、どうやって入れるの?

2010/03/31

大型家具を店内にそんなに沢山は置けない。
そんな時にはバックヤードと倉庫に一時保管して置き、売り場が空いてから出したりする。
何処の店でもそんな調整をしていると思う。

この時期には学生の卒業に伴い引越しが激増する。
特に仙台は大学や専門学校が多く有るから、買取が少ない俺の店でも持て余す場合があるのだ。
学生は一式丸ごとの買取の場合も多いから、ベットにソファーと大きめの物を出る。

1点毎の取捨選択もあるが、まとめた方が買取的に都合がイイ場合もある。
一時保管するまでもない品、3人掛けのソファーで背もたれの高い物で程度は中クラスだった。
天気のイイ日に店の外の入り口付近に目立つように、尚且つ、激安で陳列して置いた。

元気良く店に入ってくるなりお客さんが言う。
「外のソファー、値段間違っていないよね、0が一つ足りないとか?」。
「1千円です、間違いじゃありません、1万円でもおかしくはないが、早く売りたいから・・・」と説明した。

そんな売り方をしたりするのも、この時期には店での保管ができないという事情である。
お客さんは財布から1千円を取り出して、「明日、取りに来るから・・・」。
「きっと明日取りに来てください」と念を押した、だって、保管に手間がかかると困るから・・・

翌朝、彼は取りに来たんだ。
「車のトランクに入るだろ?少しはみでても構わないから」と言った。
セダンのトランクに入る訳はない、一目で分かる俺は彼の判断の仕方に大きな不安が出た。

「そっか?配達をサービスしてくれない?」とズーズーしい要求に俺は呆れかえった。
そして激安の配達料を納得してもらい、アパートに向かった。
これ又、玄関から入るかどうか心配な幅なのだ。

「イイよ、入るよ」と簡単に言うではないか。
それからソファーを二人で縦にして、戸の間にソファーの背を差し込んで、中のスペースに沿わせて半回転させた。
そこまでは何とかできたが、狭い短い廊下を移動してリビングに入れるが・・・

ドアー枠が全周に数センチ張り出ていて、その為にソファーを回転しても打つかってしまい入らないのだ。
俺は外に出て見渡した。
リビングのガラス戸2枚を外すしかないと確信した。

しかし、ベランダに手摺があるから、底を持ち上げてかわす必要がある。
駐車場には他の入居者の車が止まっていて、相当な高さに持ち上げて運ぶ必要もある。
ソファーは大きく重いから、男二人でかなり気合を入れて頑張る必要があった。

ド素人の彼を指導しながら、ゆっくり慌てず怪我しないように孤軍奮闘(?)した訳。
「あの、どうやって入れるつもりだったの?」と聞いた。
「何とかなると思ってたのよ・・・でも、無理だったね・・助かったよ」と彼が平気な顔で答えた。