リサイクル親父の日記

第928話 新社会人おめでとう。伊集院静を読んで

2010/04/04

毎年、作家の伊集院静がウイスキーの広告で文章を書いている。
俺の好きな作家の一人でもあり、スポーツ記事やコラムが特に気に入っている。
去年は松井秀樹を取材したドキュメントがNHKであったりして、こちらも面白く見た。

今回のタイトルと文章も普段俺が思っていることの代弁ではないかと感じてしまうほど。
2年前に長男が東京で就職した。
職探しが大変で3月にやっと決まって働くことができたんだ。

この春、4月から今度は長女が東京で働き出した。
学生生活も二人は都会暮らしだったから何年も前から自活していた。
卒業そして就職の時に、俺は父親として言ったことがある。

真面目に頑張れよ、自分に正直にやれよ。
世の中には変な奴がいっぱいいるから、注意しろよ。
仕事の中で何か目標を見つけて向かえよ。

不況だからと言ってもしょうがない、就職できたことに感謝してやれよ。
威厳をもって言えた訳ではないが、恥ずかしながら伝えたようなものだった。
子供があっという間に大人になってしまい、急に大人扱いするのもどうかと考えた。

しかし俺が彼らの年齢の時を考えれば、20歳も過ぎればガンガン働いて、ドンドン遊びたいと思っていた。
家庭では子供だが社会では一人前の大人でなければならない。
そのことを知らせたかったから言ったが、言う資格は俺にあったかどうかは定かではない。

1年前に長男がお盆休みに帰省した時に、初めて二人で夜の街に飲みに行った。
少し田舎町を軽蔑した発言をしたから、スナックの中で叱りつけた。
彼はギョッとして俺の反抗的な目で見た。

その理由を説明すると、不承不承だが分かったようだった。
これからは機会があれば、世の中の仕組みを教えていこうと思う。
長女が東京に旅立つ前に家族で会食したのはちょっと前だ。

ビールで乾杯して祝宴は始まった。
色々と注意をしたら、ウザそうな顔をしていた。
親子は仲良しでもイイのだが、厳しいことやキツイことを言えないのはどうかと思う。

だから時々しか会えないが、人生の先輩として、親としては言うことは言わないといけないと思っている。
人生や仕事において辛酸をなめたりして、何年か先でいいから、お互いに大人として飲み交わしたいと思っている。