2010/04/08
3日の日経新聞の記事に俺は驚いてしまった。
とても笑えない現実に悲哀を感じてしまうし、俺の店のお客さんが似ていると思えた。
65歳以上の年収と転倒率、鬱との統計に関しての記事だ。
年収200万円未満と400万円以上では、転倒率では26.8%と22%となる。
鬱病では400万円以上の人に対して、100万円未満は5倍だそうだ。
国民健康保険料の滞納し、実質無保険状態世帯数は30万に及ぶそうだ。
社会問題として改善する必要性を説いているが、読んでいてとっても暗澹となるし、悲しい気分だ。
人の健康や命が金次第だってことだし、社会経済因子に左右されるそうだ。
遺伝子や生活習慣が決定因子になるのはもちろんだが、金がね大きく左右するというのも・・・
70歳代のお爺さんが常連さんとして数年前から来ている。
年金が支給されると元気になっている。
買い方も気前よくポンと買ったりする。
1カ月過ぎる頃から気前が悪くなりだす。
「欲しいけど・・生活費が心配で・・・病院にもいかないと・・・」と愚痴りだしている。
更に半月過ぎる頃には、「もう金がねぇよ・・・おかずも1品だよ・・・惨めで嫌だな」とか言いだす。
常連さんだから買う物が無くてもフラっと店に来る。
優しくするとかではないが、いつも通りにコーヒーを淹れてあげたりする。
しんみりとお爺さんは言う、「金が無いから外に出ないし、もう数日間も人と話をしてないな・・」。
そんな鬱状態の時には、昔を懐かしむ話をしている。
「サラリーマンだった頃が懐かしい、いっぱいやることがあって・・忙しかったけど・・・
今は、暇で暇でどうしようもないし・・・金もないし・・・ハァ~ア・・・」。
目に浮かぶ涙を俺は見ないようにしている。
それが大変身してしまうんだ。
「コレ、もらうよ、幾らだい?」と1万円札をポケットから放り出してくる。
元気が出て良かったんだが、あんまり無駄遣いしない方がイイと思うんだ。
「無理して買わない方が・・・本当に必要な物だけにして・・・お金は大切に・・・」なんて老婆心が出るんだ。
2ヶ月に一度の支給日を境にお爺さんは再生してくる。