リサイクル親父の日記

第938話 本体よりもコンプレッサーメーカーを気にするんだが・・・ 

2010/04/15

ある夕方、60歳くらいの男性が1人で来て家電売り場を見ていた。
するとレジに向かって声をかけてきた。
「ちょっと・・冷蔵庫を欲しいんだが・・・」、俺はスッ飛んで行った。

「これはメーカーが日立だからイイんだが、問題はコンプレッサーが何処で造っているか・・・」。
俺は彼の言葉が何を意味しているか理解不能である、だから黙って聞いていた。
「中国製ではないと思うが・・・確かめないとな・・・うん、分からんな・・・」と呟く。

冷蔵庫裏面の下部に半球体の黒い部分がコンプレッサー、圧縮器だから、これは冷蔵庫の最重要部である。
冷媒を圧縮するこのコンプレッサーの良否が冷蔵庫の寿命を決定する。
「ちょっと・・倒して見てみたいのだが・・・」と冷蔵庫を横倒しにしてしゃがみ込んで覗きこむのだ。

しかし、ラベルには能力は記載されているがメーカーや製造国は見当たらない。
「これでは分からんぞ・・・あっちはナショナルだしな・・・」と呟きは続く。
迷いは深くてとても時間がかかりそうだし、無理に勧めるのはどうかと感じたから俺はレジに戻った。

5~6分後に彼はレジに来た。
「やはり機械は日立や三菱が良いんだが・・・ナショナルや他のメーカーのはどうもなぁ~~」。
又しても同じことを繰り返してる。

すると彼は次に驚くことを言った。
「いいや、あっちのナショナルの冷蔵庫をちょうだい!」だって!?
俺はあまりに違うこと聞いたから、ズッコケてしまい、椅子から落っこちてしまう感覚だった。

何故なら彼の理屈はそれなりに合っていると思えたからね。
工業用機械や機器では圧倒的に日立や三菱が実績もある。
そのメーカーの製品に対して信頼を持つというのは理屈が適うのだ。

彼が機械関係や設備関係の仕事に係わっていて十分に分かっているとしても不思議はない。
この業種に携わっていればこそ、思考が論理的であり合理的であるのだ。
しかるに今回の買うまでのプロセスと結果は、大きな矛盾しかないのである。

人間は本当に不思議な動物だと実感した。
されど人間、だから人間、それでも人間、人間万歳!!!!
俺は天邪鬼である、だから、他人が思うようにはやらない、むしろ反対の言動をすることがある。
一番不思議なのは俺自身かもしれない。