リサイクル親父の日記

第945話 いい加減なこと言われてたの・・・

2010/04/22

仙台市泉区の保坂町は学生向けアパートが林立している。
何棟もが段々畑状に連なっているから壮観でもある。
時期遅れの4月の引越しの彼女は、進路が決まらないので一旦実家に戻るという。

その朝は、実家のある福島県相馬市から電車を乗りついでアパートに辿り着いた。
俺が到着しても、まだまだ片付けは混沌としているが、物は最小限しかなかった。
ここで処分する程度と自分が手荷物で持ち帰る紙袋くらいだ。

洗濯機、電子レンジ、ガステーブルなどは使用年数が2~1年なので買取に問題はない。
折りたたみの机に椅子も良好だが、ベットやカーペットは相当な汚れと傷がある。
テレビも10年以上前のを譲ってもらって使っていたようだ。

冷蔵庫と炊飯ジャーがあったが、それは友達に譲るので、残念だが俺は買取できない。
1階の部屋はドアの側が道路だから、搬出作業はやり易い。
俺は玄関近くに数点を運んで、靴を履いてから、それらをトラックに積み込みだした。

すると彼女は室内から同じように何点かを玄関まで持って来てくれる。
最近の若い人たちは見て見ぬふりをするとか無視している人が多いが、積極的に手伝う彼女の姿勢は好感が持てる。
共同作業をする内に2~3会話をしたんだ。

最後にベットをマットを出してから、引出付きの枠を分解していった。
引出は単体でキャスター式なので簡単に取り出せた、トラックに積む時に裏側が見えた。
圧縮ボードなのだが、一部に変色した部分が何か所も見える。

白く黄色っぽい個所は、なんとカビなのだ。
次に本体枠は前後左右に組まれていたから、ボルトを抜いてバラしたんだが・・・・
「これもカビ凄いですね、こんなにカビが出てるのも珍しいですよ」と俺は言ってしまった。

「そうなんです、入る時に大家さんから、南向きで日当たりがイイから問題ない、って・・・
だけど、半年もしない内にたくさんカビが出てきたんです・・・湿気がホントに多くて・・・」。
「それじゃ、大家さんが言ったのと違うんだ?」と聞いた。

「そうですよ! 他のことも嘘があったんです、でもどうしようもなかったんで・・・」と諦めの心境だ。
「世の中には嘘をつく人がいますよ、今後のイイ勉強だったと思って・・・」と俺は分かった風なことを言ってしまった。
新入社員や大学生生活で新たな地で独り暮らしが始まったが、親がやっていたことを自分でやるようになる。

ゴミの出し方から生活必需品の買い物まで全てをやる必要がある。
その程度ならいいんだが、変な勧誘などに引っ掛かることも出そうだ。
社会の諸事について失敗しながらでもちゃんと憶えないと将来が不安かな。