リサイクル親父の日記

第946話 お婆さんもお母さんも、もったいないって言うんで・・・

2010/04/23

ギフトが様々あって、段ボール箱に4~5箱分はあります。
古い物が多いけど、汚れのひどいのは選別してますから、状態のイイ物だけです。
一度、買取に来て欲しいんですが・・・

当日、時間に行くと不在だったから、ケータイに連絡したら、直ぐに戻ってきた。
宮城刑務所の道路向かいの住宅街の角の家である。
玄関前に後ろ向きに車を止めて、僅かなスペースをかわして玄関に出た。

L字型の家の凹み部のサッシ戸を開けるとダイニングと台所って具合。
床には段ボール箱にはみ出しそうにギフトが盛り上がっていて、数箱はある。
その付近はそれ以外の物が更にゴチャゴチャとなんやかんやと物があるのだった。

俺は建坪が総二階造りで50~60坪はあるのにどうして片付けができていないかと訝った。
ギフトの箱の大きさは大小様々あって、尚且つ、古そうなのと新しそうなのが混合している。
この場合は、やはり箱を開けて確認が必要なのである。

箱の大きさの割に軽い物は、タオルやシーツなど繊維製品が多い。
逆の場合には、陶磁器やガラス品が多いのである。
ベークライト製品や名前入り品は売れ難いし、ガラスのありきたりの器も難しい。

何箱も開け進むと、茶色いシミが出ている物もある。
だから、買取できない物と売れない物を弾くのだ。
「これでも相当数はゴミ処分したんです・・・」と彼女が訴えてきた。

「お婆さんもお母さんも・・・もったいないって使わずにしまっておくんで・・・
溜まってしまって・・結局、どうしようもなくなって・・・」諦めの心境で言った。
「年配者はやはり物を大事にしますよ、仕方ないですよ」と俺は慰めた。

「この間、母が亡くなって、それで整理できるようになったんです・・・
お婆さんは入院してて・・でも、もう直ぐ帰るけど・・・痴呆症だし・・・」。
「頂き物は早めに使うのが良いんだけどね、そうすれば無駄にならないし」と又、慰めた。

「そうでしょ?わたし、何度も言ったんだけど、ダメだったの」と少し親密感が出てきた言い方になる。
「え~と、全部で査定はXXXX円です」と言ったら、
「そんなに高く買ってもらえるの?」大喜びしてくれたが、俺は一般的査定をしただけ。

車に積み込み終えて、帰り際に、「又、何かありましたら呼んでください」と言った。
「あ、あの~古い物はどうですか?お爺さんが持ってた物とか?」。
「えっ?うんと古ければ構いませんが、中途半端だと・・・見せて下さい」。

「別の部屋の奥にあるんですが・・今ちょっと・・・片付けれないから・・・」。
「それでは見られる状態になったら呼んでください、ご自分で選別しないで」。
楽しみができたから、俺はルンルン気分でハンドルを握った。