リサイクル親父の日記

第951話 高級ホテルかと思った、仙台駅近くの買取

2010/04/28

男性からの買取依頼電話だった。
「単身赴任が終わったから・・・冷蔵庫や洗濯機など買取して欲しい・・・」。
他にコンポやベットなど細々した物もあるというから、見積に行くとことにした。

住所を聞くと、仙台中心部の一等地ではないか、幹線道路付近である。
あまりのもイイ場所は俺には困る場合が多いのだ。
第一に駐車場確保で難儀する、次に、マンションの管理が厳しくて搬出に手間がかかり過ぎる。

地図で調べてると、やはり駅前大通りに面した真新しいマンションで1、2階はテナントビルだが3階からは住居だった。
正面入り口を入るとオートロック用インターホンがあり、鳴らすと彼が応答した。
「脇のドアから入って、階段を上って、そこにもインターホンがあるから、又呼んでください」と俺には分からないことを言った。

言われた通り右側のガラスドアを入ると、緩やかに湾曲した階段があるから、それのスタスタ上る。
確かに又、インターホンがある、しかし、そこは広いロビーでもあり、お洒落な洋風の応接セットが数組見えるのだ。
2回目のガラスドアを抜けて広い廊下に出たが、猫足の半月型テーブルには可憐な花瓶が飾られている。

廊下は絨毯敷き、壁の腰高部と天井との繋ぎ目にはモダンな木製モールが取り付けられていて、全体が白色で統一されている。
エレベーターを5階で降りると、斜め前が目的の部屋だった。
木製の厚いドアも白色だが全周にはシックな彫りが施されているから、やはり高級ホテルの感じが強い。

部屋の玄関は広くはないが、玄関脇には納戸的な物置きがある。
その反対方向に行くと、パーッと視界が大きく開けて、明るい陽光が全面窓から注いでいる。
ワンフロアーなのだが、キッチンにリビングと半分仕切られているベットルームがより広く感じさせる。

本当に高級なシティホテルにでも居るような感じだ。
でも賃貸マンションなのである。
「やっと家に戻るんだよ、だから全部いらないし・・・」彼は嬉しそうに説明した。

買取当日の朝、奥さんも来ていた。
二人は俺が買取する物物を入り口付近に並べていたし、重い冷蔵庫と洗濯機は綺麗に拭き掃除をしてくれていた。
このような綺麗なマンションで紳士的でフレンドリーな買取をしたのは何時のことだったろうか?


イイ仕事であり有意義な出会いが、時々でもあれば充実感は少し満たされそうだ。
ある時にはどうして働くのか、とか人間的な疑問も出たりするが、相手に喜んでもらえた時に俺も意義を知らされる。