リサイクル親父の日記

第953話 どうも不興らしい、分からないのに何とも答えられない・・・

2010/04/30

古い物とか骨董品が好きな人はこだわり派が圧倒的に多い。
趣味や嗜好というものは、マニアックでありこだわりがあって至極当然でもあるのだろう。
気に入るとかという感覚は、その人本人の気持ち次第だから他人には分かりえない。

若いサラリーマン風の男のお客さんが、ガラスの色付き盃を手に取りジーッと眺めている。
「これは何年前のものですか?」と聞いてきたが、俺も何年前かは分かる由もない。
「戦後の物でしょうかね、ガラスのでき具合からすると・・・」と答えるしかない。

「大正とか昭和初めとか分かりませんか?」と迫って来るが、
「あまり適当なことは言えないし、その程度しか判断できませんね」と正直に答える。
すると彼はサッと杯を戻して踵を返した。

今度は壮年の男性客だった。
「あのガラスケースの中のお茶セットは、江戸時代ですか?」と期待しながら聞いてきた。
「これは屋外でのお茶の道具ですね、そんなには古くないですよ、精々大正時代くらいですよ」。

彼はションボリ肩を落としてしまう。
古い方がイイだろうし、ロマンが膨らむだろう。
しかし、お客さんに分からないこと、適当でいい加減な時代などを伝えてしまえば、誤解を与えるし、騙しにもなる。

探究心の強い熱心なコレクターは方々に行ったり見たり聞いたりしている。
俺の責任は分かることは言うが、分からにことを適当に言うということではない。
むしろ分からないことを正直に言うことではないだろうか?

古い物も販売するが、それを集めたり仕入れたりして陳列するのが第一の仕事である。
分からない物をできるだけ調べたりして、分かるようにしてから販売するのがベストであるが・・・
毎日仕入れがあれば、特に、リサイクル品が主力でもあるとすれば、早く陳列することを優先する。

俺は骨董に詳しいお客さんと会話をして、少しずつ知識が増えたりしている。
同時に骨董のセリに参加することで相場観を養っている。
知識を得ながら相場を掴みつつ日々研鑽していきたいと思っている。

10年間ほどやってきていて、最近少しだけ分かってきたこともある。
反面、全く分からないことも分かってきた。
もっともっと好きになって、勉強しないといけないとも思っている。

俺より分からないお客さんに正しいことを正直に伝えたから・・・