リサイクル親父の日記

第954話 プレゼントかよ、コレは!?

2010/05/01

今日の午前中から正午くらいまで、ある件で6~7人と打ち合わせの様なことがあった。
1~2回会った人もいれば、今日初対面の人もいた1~2人いた。
特別な知り合いでもないということだ、たまたまその件での集まりということだ。

80歳代の老夫婦は、お爺さんが脳梗塞を患っていて話し方が少しぎこちない、お婆さんは普通である。
着席した時は数人しか来ていない、と突然、お婆さんが手土産だと言って黒い小袋を差し出した。
俺は断るが、数回押し問答の末、そこまで言うのならと受け取ったんだ。

口上は「わたしの好きな本です、よかったら読んでみてください・・それと商品券が・・少し・・」と聞こえた。
ズーズーしい俺は、頂き物がどんな物かと思い、大抵はその場で開封するようにしている。
それは高価な物だと困るし、御礼の言い方も変えなければならないし、もう一つ、お婆さんが言う本とは何かと気になったのだ。

80歳以上の彼女が他人に読ませたいと思っている本です。
彼女は俺だけではなくて、他に同席している人にも差し出していた。
尚且つ、遅れてきた人達にも全員にプレゼントを渡すのだ。

テーブル上で俺は黒い小袋を開けると、真新しい本が2冊、直ぐに取り出した。
タイトルが「竜馬XXX」「松下幸之助XXX」と読める。
ご年配にしては洒落たことをするのかと一瞬思った。

今はやりの竜馬のこと、それに、経営の神様のことだから、普通は好感が持てるけど・・・
著者名を見ると・・・・俺は大きく呆れるだけだった。
某新興宗教代表であり、俺はその団体がどんなものか少し知っている。

俺はその団体と著者について聞いてみた。
「お爺さんもお婆さんも・・ここの信者なんですか?」。
二人はニコニコ満面の笑みを浮かべる、そして、首を上下に振るのだ。

「お爺さんが困ってた時、出会ったの・・・そしたら上手くいくようなったの・・本当助から・・」。
彼女が話す脇でお爺さんは大きく大きく頷きを繰り返すのだ。
二人は今日会う人全員に対して、新興宗教の布教の一助をなそうとしたのだ。

俺はこの布教に知らぬ顔で済ますのが大人の態度かも知れない。
でも自制ができなくなってしまうのだ。
「この宗教はとんでもないことを言っているし、竜馬も松下幸之助も利用していますね」。

そんな野暮なことを言ったもんだから、座はシラけてしまう。
でも二人は一層ニコニコして首を上下にさせていた。