リサイクル親父の日記

第956話 場所が分からないので怒られてしまうのだ

2010/05/03

おばちゃんは極最近店の近くに引っ越してきたのだ。
2週間前に初めて店に来て、1~2点買ってくれた。
次が1週間前だ、この時は1点だったが何れも小物だから持ち帰っていた。

3日前、応接用椅子の1人掛け椅子が気に入ってようだった。
寸法を教えてと言われたし、肘掛の高さが気になるって言う。
それを機会に話をするようになった。

「最近、引越ししてきたのよ、ペットショップの裏、新しいマンションよ」と言っていた。
椅子を買うかどうか相当迷っていた。
「近くだから配達はサービスしてよ、イイでしょ?」とも言っていた。

2日前に来た時も未だ結論は出ていないのだが「もう少し考えるの、だってぇ~今あるのと色が合うかどうか?」。
居間には一つ椅子があるのだが、今度買う物と調和するかどうかが気になるらしいのだ。
引っ越したばかりの人は色々と不足品があれば買いに来てくれるので有難い。

そして今日も来た、遂に、買う決断だついたのだ。
「配達サービスしてよ、そこだからさ」と同じことを言うが、俺はサービスはお断りした。
「1回車を使うので、サービスって訳には・・・椅子1つだし・・ちょっとできないですよ」。

「しょうがないわ、分かった、明日配達して、ペットショップの裏だから、分かるでしょ?」。
「あのマンションね、セザールですよね?」とマンション名で確認した。
「違うわよ、XXXって名前のマンションよ、新しい所よ」と俺の思っていた名前と違うことを言った。

直ぐ近くがどれほどの距離を指すかは人それぞれの思いで違うだろう。
「だってペットショップの裏で白松モナカの側の方じゃないの?」。
「~ウ~ン?そうだけど、ペットショップの道路向かいのマンションよ、あんた分かんないの!」。

どうやらおばちゃんが言っているのは違う場所らしい、そして、直ぐ近くではないらしいのだ。
「住所は分かりますか?」と聞いたら「xOXよ」と地名しか言えない。
「番地は分かりませんか?」、すると「分かんないわよ、ペットショップの・・・」と繰り返す。

それではと住宅地図を開いて、店のある場所を指して「ここから来た道を教えください」と言った。
しばらくあっちを指したり、こっちを指したりしたが、おばちゃんは地図上でも分からないのだ。
バックからペットショップのチラシを取り出して「この店の先を・・・・」と説明する。

それは直ぐ近くのペットショップではなかった。
300mは先の店である。
その辺には稀に買取や配達で行くことがあるが、ここは仙台だから隅々までの変化を記憶できはしない。

「あんた、店やってんだもん、ちゃんと分かってないとダメじゃない!」。
俺は内心で、何て事を言うんだと苛立った。
「保険証とか持ってないんですか、番地は思い出せないですか?」と同じ質問をした。
その後、意味のない場所探しをおばんちゃんと淡々とこなしたんだ。