リサイクル親父の日記

第957話 不愉快な会話だが、俺も自戒しないとと・・・

2010/05/05

ゴールデンウィークだから大勢の人が行楽やレジャーに出かけるでしょう。
仙台の4号線バイパスは幹線道路だから普段の土日でも混むのだが、この時期は更に大混雑してしまう。
だが俺の店は道路に面していないから人目に付かないのだ。

道路沿いの店数店の奥に位置してるから、むしろこの時期は車の入りが悪くなる。
常連さんなどは渋滞を嫌気して俺の店を避けるから、そしてフリー客には目に付かないからね。
寂しい限りではあるが俺の店の特徴でもあり、ここ数年は黙して受け入れるという気持ちで過ごしている。

店内ではお客さん同士で楽しそうに会話するのは日常の風景だ。
時には知らない同士でもちょっとしたきっかけで会話が始まったりもする。
俺の何処かの店に行って独りごとを言ったりすると近くの人が話をしてきたりするからね。

短髪小太りで作務衣上下を着ている、そして度のきつい眼鏡の中年男性が来た。
奥さんと二人だが別々に店内を見て回っていたが、奥さんは先に店を出ていた。
レジカウンター前の陶磁器や漆器売り場を丁寧に検品しながら時間をかけてみていた。

その場に別の中年男性がやって来たのだが、二人は共通する趣味のようである。
片方が手にして見ていると、「それはイイ物ですね」と声をかけてしまったから・・・
「これは秀平塗りですよ」と男の説明が悦に入ったのだ。

二人は意気投合した如くに次から次に品定めを俺の目の前で繰り広げる。
片方が負けじと得意な事を言う、すると、片方が別の自慢を始める。
やれ、「この九谷焼は・・・」「この皿は明治はあるね・・・」「ランプは古くて・・・」とか延々と続いてるのだ。

「この店、5~6年前には駄物、低級品しかなかったが・・・ゴチャゴチャしてたが、綺麗になってるよ・・・」。
俺の目の前での会話なのだが、俺の存在は忘れてしまっている。
自分たちの話に熱が入り過ぎている。

「ボクは旅行しながらリサイクルショップや骨董屋を見て回るのが好きでね・・・」。
「それもイイですね、わたしも時々あっちこっちの店を見に行くのが楽しくて・・・」。
「最近は何処も掘り出し物が少なくなってさ、面白味も減ったし・・・」。

「リサイクルショップが骨董屋より高い場合もあるし、全く何考えてんだか・・・」。
「訳分からないリサイクルが多くなってるね、ただ高い値段を付けてる・・・」。
前半は悪口に感じられた立腹した。

でも彼らを追い出すのもどうかと思ったから、ジィーッと聞いていた。
確かに悪口ではあるかも知れないが、お客さんの言葉には一理以上の真理があると思った。
彼らの目線でもう一度店の商品の値段を考えると色々思い当たることがあるのだ。

何年間も売れない物、値札を見るとソッポを向く商品、何人も手に取るが買わない物、など・・・
そんな商品が年々増えていると大いなる反省が湧いた。