2010/05/06
たかがガステーブル1台ですが、とても気分のイイ引き取りでした。
仙台市泉区の団地だから、店からは車で1時間ほどの遠方ではあった。
普通は買取内容が良くないと出かけないし、内容を聞いて場所を聞いてから判断している。
「ガステーブルだけでは難しいですね、すいませんが・・・」と電話で俺は断る。
おばさんは嘆く「どの店も断るんだけど、半年前に買った物で状態がとっても良いんですよ・・・」。
「どうして要らないんですか?勿体ないんじゃないですか?」と俺は疑問を口にした。
「それがねぇ、娘が実家に戻るんだけど、ガステーブルはあるし、都市ガスだから合わないのよ」。
「そうですかぁ~、しょうがないですね」と俺も同意したんだ。
「おたくの店からは遠いのですか?でもね、勿体ないのよ、捨てるには・・・」。
「本当にそうですね、捨てるには勿体ないですねぇ」と電話機を耳に当てながら頭を上下して頷いた。
「引越しはXX日です、その前の晩にアパートに行くから、当日は朝何時でもいいのよ、引越し屋さんが9時の予定だから・・・」。
「ウ~~ン、何時でも良いんですか・・・ン、ン・・」と俺は悩んでいた。
おばさんは一生懸命に説得しているから、何か応えてあげたい気持ちも少し出てくる。
「あのね、お金なんかいらないの、タダでイイから、誰かに使ってもらえれば・・・是非お願いしますから」。
俺はリサイクルショップをやっている、それは金儲けもあるが、おばさんの気持ちも汲んであげたい。
そうじゃないな、物を大切にするのがリサイクルの筈だ。
良品のガステーブルを無料でいただけるのだし、例え1時間かけて行ってもイイではないか?
ボランティアではないけれど、早朝の時間であれば道路事情もイイから店の開店時間にも支障はない。
「分かりました、朝早くいきますのでよろしくお願いします」と快諾に俺の気持ちは変わった。
「良かったわ、無駄が多い世の中ですもの・・幾らかでも無駄を省かないと・・・」。
そんな電話のやり取りが1ヶ月前だった。
俺の予定表には明日朝に行くことがバッチリ記入されている。
予約が
早過ぎた場合、当日や前日にキャンセルや変更が度々発生することがある。
だから前日に再確認の電話をするのが身についてきた。
夕方に電話すると決めていた。
すると午後一番におばさんから電話がきてしまった。
「明日の件ですが、申し訳ないんですがお願いします」だって。
何から何まで今回はおばさんに先手を打たれたし、大変気遣いをしていただいた。
これに応えるには、ただ金のためではなく、リサイクルの原点をもう一度見直すべきだろうと思った。