リサイクル親父の日記

第966話 イメージ通りの人ってホントに少ないよ

2010/05/14

買取依頼は電話が多いんだけど、他にメールやお客さんの紹介であったりする。
90%以上は電話であるが、十人十色であり、他人によって言い方が違う。
爆笑問題のテレビ番組で、太田と田中が音声だけで伝達する場合をやっていた。

田中が見ている図形の絵を太田に伝える。
太田は別室に居て、田中の言葉でその図形を描くという場面だった。
二人の意思疎通具合をはかるというものだ。

俺も経験しているが、電話で受けた印象と実際の人が大違いの場合もある。
お客さんが一般的な常識人であれば大きく外れることはないようだ。
但し、ズルイ人で嘘をつかれると始末が悪い。

口調が普通で受け答えも常識的だとする、しかし、現物が物凄く古かったり、故障してたりする場合もあったりする。
先日も、車で1時間かけて出張したら、椅子の肘掛けが壊れているのだからどうしようもない。
自分が始末したいだけのために他人を巻き込んだりすることに反省はないときてる。

今日行って来たお客さんは電話の印象とピッタリの女性だった。
受け答えもしっかりしているし、物の表現も正確であり、そして、大変控えめだった。
俺がトラックを駐車して辺りを見回してアパートを探していたら、ドアの外に立ってて合図をしてくれた。

最初の一言が「道路が狭くて、すいません、大丈夫ですか?」と大変心配してくれた。
バス道路から脇道に入った密集住宅街だからトラック1台がやっとである。
次に「直ぐに来ていただいて申し訳ありませんでした、お忙しいのに・・」と俺は気恥ずかしくなったほどだ。

買取品をチェックすると電話の通りだから何も問題はない。
他にアイロンやクリアボックスなど小物が数店増えたが、しかし、家電が含まれていなかった。
「引越しでしたよね、この冷蔵庫は3年前なのに持って行かないんですか?」と聞いた。

「北仙台に引っ越します、えぇ~」と少し恥じらいの様なものがある。
「直ぐ近くですね」と俺は引越し先が近過ぎると思って大きく驚いた。
「・・彼氏と一緒に・・暮らすことに・・・急に決まってしまって・・・」と顔が赤らむのだ。

「持てる物で結構ですから玄関までお願いできますか?」と俺は運び出しを助けてもらうことにした。
彼女は小物を部屋から玄関まで持って来る、俺はトラックまで7~8回往復した。
真面目な彼女は2ドア冷蔵庫を独りで玄関まで移動しようとしていたが、上手くいかないのだ。
 
二人で冷蔵庫を運んで俺はトラックのゲートを締めていた。
すると彼女が俺のセカンドバックをトラックまで持って来てくれた。
「とっても気のきく貴方は、きっとイイ奥さんになると思います、俺が保証します」と言ってしまった。

トラックを発進する俺をドアの前で見送りつつ礼をしていた。
電話のイメージよりも遥かに優しい彼女、本当に幸せになって欲しいんだ。