リサイクル親父の日記

第969話 パチンコで大勝ちしたからぁ~~

2010/05/17

自営業で1人で設備工事関係の仕事をしている人がいる。
以前から売りに来ている。
釣り竿やリール、ある時は電動工具などだ。

半年前に新品のインパクトドライバーを売ったことがある。
「元請との付き合い上、買わなければならなかったが、換金したいからと・・・」。
後日、工事代金から品代を差し引かれるという。

新品代金から考えれば相当安くしかならないと言ったら、それでイイから交渉はまとまった。
俺の店では新品がなかなか仕入れできないから、ショーケースに入れてディスプレイ的に置いても恰好イイのだ。
それからも時々売りたい物が出ると店に来ている。

そして、そのインパクトドライバーを見ると、「未だ売れないねぇ」と感想を言っていた。
現行の新品は、仕入れとの兼ね合いで売値はそれなりに高く設定せざるを得ない。
だから程度のイイリサイクル品を安く売る方が売れ易い。

俺の店に来るお客さんは、新品が安いから買ってくれる訳ではなくて、中古が凄く安いから買うような傾向がある。
一般的にリサイクルショップを利用するお客さんは、価格の安さを求めるのだ。
次に面白い物や珍しい物などがリーズナブルであればとなるようだ。

昨日、彼がいつものように店に忙しなくバタバタ足音を立ててやって来た。
しかし手ぶらであり、普段より顔色がとても良くて、笑顔が輝いていた。
「買ったんだ、いっぱい勝ったんだよ、パチンコで・・・」と大声で報告した。

「ここ1週間で20万円以上も勝ったよ、こんのこと初めてさ・・・」こぼれんばかりの笑顔ということだ。
普段は負けるが圧倒的に多くて、稀に勝ったとしても直ぐに又負けるらしい。
連戦連勝は初めてだから、お金が増えてしょうがなくてって嬉しくて困っているってか? 

「いつも世話になってるから、今日は金があるから何か買おうか・・・」と店の中を探し回るのだ。
誰しも金に余裕があると嬉しくもなり、気持が大きくなり、散在もしたくなるかも知れない。
「どうせ何時か負けるから、金のある内に買った方が良いんだな・・・そうだ・・」。

すると「これは俺の売ったインパクトドライバーだよね」とショーケースの前で確認する。
「それだったら値引きしますよ、あなたから仕入れたしね、仕入れ値段も憶えているでしょうから」と促した。
「そうかい?じゃ、これ買います、悪いね」と大変感謝してくれた。

清算した後に彼は「今度は絶対これは売らないようにしよう」と自分に言い聞かせていた。
ギャンブルは面白いという、暇があれば暇つぶしに行きたくなるという。
そんな皆の言い訳は、小遣い程度しかやらない、と言いながら財布は空っぽになっている。